カニ脚の形状をリアルに再現し、カニカマを本物のカニのように味わうことができる“世界初のカニカマ専用ピック”「カニスギ~ヨ!」が2022年春ごろに登場しそうだ。今や世界中で愛されているカニカマだが、実はスギヨのカニカマにはオス、メスがあるという。同社がこうした食品の“リアルさ”にこだわる理由を探ってみた。
上を向いて大きく口を開き、手に持ったカニのむき身を頬張る――。カニ好きにはたまらない至福の瞬間を、自宅でいつでも楽しめるようになるのが、“世界初のカニカマ専用ピック”こと「カニスギ~ヨ!」。カニの脚を模したピックで、食品メーカーのスギヨ(石川県七尾市)が販売する「大人のカニカマ」を先端に刺して使う専用アイテムだ。
考案者は雑貨や玩具の企画を手掛けるデザイン会社RCOTT(ルコット)の畑中タクヤ氏。スギヨのカニカマ商品である大人のカニカマや「香り箱」がもともと好きだったが「大人でも憧れるような本物のカニの食べ方を再現したい」と思い立ち、食品サンプルなどを参考に手作りしたものをTwitterに投稿。これにスギヨの広報担当者が目をつけ、玩具メーカーのフェイス(石川県白山市)協力の下、商品化されることになった。
カニスギ~ヨ!の登場は2022年春ごろになりそうだが、実際の商品化までには様々な課題があるという。
例えばカニカマを刺すピック部分。スギヨの大人のカニカマなど、リアルタイプのカニカマはカニの筋線維を模した極細のかまぼこが葉脈のように並んでいるため、真っすぐな1本のピックではすぐに抜けてしまう。そこで「本物のカニ脚のスジ(腱)は2本である」というスギヨの杉野哲也社長のアドバイスに従い、試作を繰り返している段階だ。

また、脚部分の形状もより実物に近いものに仕上げようとしている。
気付かずに食べている人も多いが、実は大人のカニカマはズワイガニをイメージして作られたもの。しかも「オス」だ。そのため、カニスギ~ヨ!もオスのズワイガニのサイズに合わせてデザインされる予定。「全国に流通しているズワイガニのほとんどは体の大きなオス。ちなみに04年に発売したカニカマの『香り箱』は、ほぼ地元だけで消費されてしまう希少なメスのズワイガニをイメージしている」(同社管理本部経営企画室広報の田畑梨杏里氏)。
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