東京海上ホールディングス傘下のイーデザイン損害保険は2021年12月9日、徒歩でも電車でも、あらゆる移動で“マイル”がたまるアプリ「ノルク」の提供を始める。21年10月に上陸した米国発のアプリ「Miles(マイルズ)」の技術を活用する。損保会社が自動車以外の移動も促進する狙いとは?

イーデザイン損害保険が提供する「ノルク」
イーデザイン損害保険が提供する「ノルク」

 先行して2021年10月20日に日本での展開が始まった「Miles(マイルズ)」は、僅か1カ月で100万ダウンロードを超え、好調なスタートを切った(関連記事:「【詳報】すべての移動でマイルがたまるMiles上陸 ANAも対抗馬に」)。それに続く“姉妹版”がイーデザイン損害保険のアプリ「ノルク」だ(アプリのリリースは12月9日12時以降を予定)。

 ノルクは60万超を誇るイーデザイン損保の加入者以外も使える無料アプリで、Milesとの併用も可能。ユーザーは、2つのアプリをスマートフォンに入れて普段通り移動するだけで、それぞれのマイルを“両取り”できる。

 ノルクは、Milesと同じくユーザーの移動手段をAI(人工知能)が自動判別し、環境に優しい移動手段ほど多くのマイルを付与する仕組みだ。1マイル(約1.6キロメートル)の移動に対して1マイルの独自ポイントがたまり、徒歩、ランニングはマイル付与が10倍、自転車は5倍、バス、電車、船、スキーは3倍、自動車の相乗りは2倍。一方で、自動車は1倍、飛行機は0.1倍となる。

 たまったマイルは、商品やサービスの割引券、サブスクリプションサービスの初月無料券といった特典との交換、寄付などに使える。特典パートナー企業としては、伊藤園、ミツカングループで豆100%ヌードルを展開するZENB Japan、フードデリバリー&テイクアウトアプリのmenu(メニュー)など、当初は30を超える特典がそろった。これらはMilesと共通するものも多いが、ノルク独自の特典も用意される。

 また、「1週間で〇〇キロメートル以上自転車に乗る」「〇〇日連続で〇キロメートル以上歩く」など、設定された目標を達成すると特典を獲得できる「チャレンジ」企画も行っていく。

 ノルクでは地方自治体との連携も推進する。第1弾の活用施策としては、21年11月に渋谷区が共催した都市型イベント「SOCIAL INNOVATION WEEK SHIBUYA 2021」内のセッション「NB TEST RUN SHIBUYA (ニューバランスジャパン)」で、テスト版のノルクを活用した「プロギング」イベントを実施した。

 プロギングとはスウェーデン発の新スポーツで、ゴミ拾いを意味するPlockaUppとジョギング(Jogging)を組み合わせた造語。ノルクを利用しながら渋谷の街をプロギングすることで、マイルをためながら健康でエコな移動をし、街をきれいにできるというわけだ。健康づくりと社会貢献を両立しながらマイルもたまるとあって、ノルクとの相性は抜群にいいイベントだ。

 では、なぜ自動車ユーザーとの結び付きが強い損保会社が、徒歩や電車を含めた移動全般をサポートするノルクを提供するのか。

イーデザイン損保は「ノルク」で何を目指す?

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