さいたま市北浦和に化粧品専門店を構える47歳、自称“おばちゃん店長”が手掛ける等身大のYouTubeチャンネルが人気を呼んでいる。2020年4月に開始後、再生回数が21万回を超える動画も登場。地元顧客の来店誘導が目的だったが、わざわざ北海道から店長に会いに来るファンもいるという。人気の理由は何か。

さいたま市北浦和にある化粧品専門店「パーミンダイゴウ」の鈴木店長
さいたま市北浦和にある化粧品専門店「パーミンダイゴウ」の鈴木店長

 「コロナ禍で対面で会えないお客様に向け、YouTubeを通して接客したい」──そんな思いで2020年4月に開始したYouTube「鈴木店長の美容チャンネル」が大成功している。

 配信しているのはJR北浦和駅から徒歩2分の通り沿いにある化粧品専門店、パーミンダイゴウの鈴木店長。開始翌月に「店舗から1時間圏内に住むお客様をターゲットに、(緊急事態宣言解除後に向け)来店誘導をする」という目標を据えた。「街の小さな化粧品店」だが、コロナ禍でも21年9月は前年同月比140%の来店客数、120%の売上高を記録している。

パーミンダイゴウの店舗外観
パーミンダイゴウの店舗外観

 化粧品専門店とは、契約を結んだ化粧品メーカーの商品を専門的に販売する店舗で、パーミンダイゴウでは、資生堂、カネボウ、コーセー、アルビオン、フィルナチュラントの5メーカーの商品を扱っている。

 ちなみにパーミンとは「palm in」。手のひら、手で温かさや元気を伝えることを目標としているという。ダイゴウはオーナーの名前だ。

 20代、30代の美容系ユーチューバーが多い中、人気を呼んでいるのが47歳のユーチューバー、「鈴木店長」だ。発端は、入社3年目の販売スタッフ「Kちゃん」の声だった。YouTubeが大好きであまたの美容系ユーチューバーの動画を見ているKちゃんから「店長の知識量やトーク力のほうがスゴイです、ぜひYouTubeやりましょう!」と説得された。最初は人前に出るのは苦手だと躊躇(ちゅうちょ)していたが、新型コロナウイルスの感染拡大で来店客が激減するにつれ危機感が募った。自分の知識が役立つなら、と思い切ったという。

47歳の美容系ユーチューバー、鈴木店長
「明るく楽しく分かりやすく伝えて行きたい」

 YouTubeのプロデューサーはKちゃん。動画制作は未経験ながら、テーマ選びや構成から撮影、編集までを手掛ける。鈴木店長いわく、YouTubeの成功は「Kちゃんが人気ユーチューバーを分析しながら、導いてくれた結果」だという。

 20年4月に目標登録者数1000人で開始したが、僅か10カ月で1万人を達成。直後の21年2月に出した動画「アイライナーの描き方」がバズると、その後2~3カ月で登録者数は2万人を超えた。主な視聴者層は40~50代の女性だが、来店するのは、大学生から70代以上の高齢者までと幅広い。現在は新規顧客の6割がYouTube経由だ。

 「鈴木店長の美容チャンネル」の人気の理由は、(1)明るさ、(2)面白さ、(3)ためになるテーマ選び、だろう。コメント欄には「毎日、鈴店(鈴木店長の愛称)見ないと癒やされない」「最高に面白かった」「楽しくてためになる」といったポジティブな感想が並ぶ。「ネガティブなコメントはほとんどない」(鈴木店長)という。

 「元気で面白くためになる」を前面に出し、視聴者を引き付けるのが動画開始から1分以内だ。

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