アサヒグループ食品は2021年9月4日、「アマノフーズ」ブランドから「海老天とじ丼の素」を発売した。チキンカツなど揚げ物を扱ってきた人気シリーズの最新作。消費者に驚きを与えることで、発売後数週間で売り切れるという話題を生み出すための商品開発5ステップを公開する。
四角形のキューブにお湯を注いで60秒、ふわふわの卵に包まれたエビの天ぷらが“出現”する──。開発に2年をかけたアサヒグループ食品のフリーズドライ商品「海老天とじ丼の素」が発売となった。同商品は、「フリーズドライの匠」シリーズの第7弾となる。
シリーズ名となっている「フリーズドライの匠」には、実在の人物がいる。アサヒグループ食品 アマノブランド企画室技術顧問の島村雅人氏だ。40年間、数々のフリーズドライの商品開発をけん引し、社内外から「フリーズドライについて知らないことはない」といわれているという。
「フリーズドライの匠」シリーズは、15年に発売をスタートした。きっかけは13年に当時の社長の特命で立ち上げとなった「アマノブランド企画室」だ。島村氏を筆頭にメンバーは3人。味噌汁や、カレーなどの食事シリーズを展開するマーケティング部内の開発室とは別に、「アマノフーズのフリーズドライ技術を結集し、話題性のある商品を発売することで、幅広いお客様に認知してもらうこと」を目的に設立された。
商品開発の要は「驚きと感動があるかどうか」だ。これまでの「フリーズドライの匠」シリーズでは、「チキンカツの玉子とじ」「チキンカツカレー」「みそかつ」などを発売してきた。「油分の多いものはお湯が浸透しにくく、復元が難しい」といわれ、難易度が高い揚げ物に挑戦してきた。販路は自社の通販サイトとアンテナショップに限定しているが、ほぼ数週間で売り切れてしまうという。
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