小惑星探査機「はやぶさ2」をラベルに描いたリポビタンDが限定発売。その他にも、宇宙関連の学会やイベントで無料配布したり、特別仕様の宣伝カーで関連企業を回ったりするなど、大正製薬は日本の宇宙開発を全力でサポートしている。なぜ、リポビタンDで“宇宙開発”を応援するのか。その背景には20年前から地道に続けてきたラグビー日本代表へのサポートがあった。

はやぶさ2のイラストをペイントした宣伝カーを用意し、各地のイベントや関連企業を回った
はやぶさ2のイラストをペイントした宣伝カーを用意し、各地のイベントや関連企業を回った

 地球から2億8000万キロメートルの宇宙空間にある小惑星リュウグウで様々なミッションを行った探査機「はやぶさ2」。大正製薬は、その勇姿をラベルに描いた「リポビタンD 小惑星探査機『はやぶさ2』応援ボトル」を2020年10月に本数限定で発売した。「ファイト イッパーツ!」でおなじみのリポビタンDが、なぜ宇宙開発を応援するのか。きっかけは16年前に遡る。

リポビタンDのはやぶさ2限定ボトル(第2弾)。はやぶさ2のミッションがラベルにデザインされている
リポビタンDのはやぶさ2限定ボトル(第2弾)。はやぶさ2のミッションがラベルにデザインされている

 05年11月、初代「はやぶさ」が小惑星イトカワに2回目のタッチダウンを試みようとする頃、探査機や管制室の様子をほぼリアルタイムに伝えるJAXA(宇宙航空研究開発機構)の「はやぶさ」管制Liveブログが注目を集めていた。「現在、イトカワ中心との距離は約1200メートルです」。イトカワと探査機の残り距離のほか、緊張する管制室やブログ執筆スペースの様子が刻々とネットにアップされる。その写真の端に小さく写り込んでいたのが、JAXAのスタッフが飲み干したリポビタンDの空き瓶だった。

 写真の空き瓶は時間とともに増えていき、雑然としたデスクの上でリポビタンDの空き箱をキーボードの台にするスタッフの姿も。リポビタンDのこうした存在感は、はやぶさの歴史的瞬間を見守る国内外のインターネットユーザーの間でも話題になった。それに気付いた大正製薬の広報担当者が「ぜひ力になりたい」とリポビタンDをJAXAに差し入れたことが、同社が宇宙開発を応援する最初のきっかけになったという。

05年、はやぶさのタッチダウンの様子を伝えるJAXAのブログの写真に、リポビタンDの空き瓶が写り込んだ。※「リポビタンD」(指定医薬部外品)の用法・用量は、成人(15才以上)1日1回1本(100ml)
05年、はやぶさのタッチダウンの様子を伝えるJAXAのブログの写真に、リポビタンDの空き瓶が写り込んだ。※「リポビタンD」(指定医薬部外品)の用法・用量は、成人(15才以上)1日1回1本(100ml)

 その後、はやぶさの地球帰還1周年に東京国際フォーラムで行われたイベント「はやぶさi」の会場では、ブログ更新に使われたキーボードの展示やリポビタンDの無料配布を実施。さらに、後継機「はやぶさ2」のミッションの山場には、プロジェクトに向けた応援メッセージを募るイベントを開催するなど、宇宙開発を応援する施策を地道に行ってきた。

 そして、初代はやぶさの地球帰還から10周年、さらにはやぶさ2が地球に帰還する年となる20年2月に、大正製薬は「リポD SPACE PROJECT(スペースプロジェクト)」の発足を正式に発表。イベントでの無料配布はもちろん、宇宙関連企業への差し入れや限定ボトルの展開などを積極的に行うことになった。

はやぶさ2のプロジェクトに向けた応援メッセージを募るイベントなどを各所で開催した
はやぶさ2のプロジェクトに向けた応援メッセージを募るイベントなどを各所で開催した

 大正製薬が社を挙げて宇宙開発を応援するようになった背景には2つの理由がある。まず見逃せないのがラグビー日本代表へのサポートだ。

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