登山情報アプリの「YAMAP」を運営するヤマップ(福岡市)は2021年7月、アプリ内での「いいね」をやめ、代わりにDOMO(ドーモ)というポイント制度を導入した。登山記録の投稿などで付与されるDOMOの数に応じ、植林や登山道整備などの支援が可能になる。開始から1カ月で5万9000人が利用した。変更の狙いは何か。ヤマップの春山慶彦社長に聞いた。
国内の登山人口650万人の3人に1人が利用している登山情報アプリがYAMAPだ。ダウンロード数は現在260万人(2021年8月末時点)。ユーザーの数はコロナ禍以前の1.7倍に伸びているという。
YAMAPは、電波の届かない山中でもスマホのGPS(全地球測位システム)で現在地を把握できる、ダウンロード無料、アプリ内課金ありのフリーミアム型アプリだ。無料会員は登山地図の閲覧や登山記録をシェアできるほか、月2枚まで地図のダウンロードが可能。YAMAPプレミアム会員(月額480円~)になると、地図のダウンロード数が無制限になり、高低差の分かる立体的な地図や詳細な天気予報の利用などが可能になる。ヤマップの春山慶彦社長によると「課金ユーザーの割合は3~5%でよいといわれる中、YAMAPは10%と非常に高い比率」と語る。
コンテンツで人気が高いのは、登山者が投稿した「活動日記」だ。登山ルートやチェックポイントの通過時刻、登山中の写真や同行したメンバー(YAMAPユーザーの場合)などが紹介されている。これらの投稿や風景写真に対するリアクションなど、ユーザー同士のコミュニケーションで「いいね」ボタンが頻繁に使われてきた。だがこの「いいね」の使われ方に春山社長は疑問を抱くようになっていたという。
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