25歳前後よりも若いZ世代は、スマホネーティブであり、デジタル、オンラインが当たり前の世代。しかし、アンケートを取ったところ、「新作映画は映画館で見る」「本は書店で買う」といった、リアルを大切にする声が多数上がった。一方で、海外通販をフル活用するオンライン巧者の姿もある。オフラインとオンラインの使い分けを、Z世代を研究するZ総研のトレンド分析担当がアンケートとヒアリングから迫った。
「Netflix」や「Hulu」など、様々なサブスクリプション動画配信サービスが一般化し、家でも気軽に映画が鑑賞できると、Z世代にも利用が広がっています。ですが、映画鑑賞に関してZ世代にアンケートを取ったところ、意外な結果が出てきました。
今回は、チャット小説アプリ「TELLER」の利用者を対象に、映画に関するアンケートを実施。その中で、65.8%と半数を大きく上回るZ世代が、「新作映画を見るときは、映画館に行く」と答えたのです。
コロナ禍で映画館は着席する人の間隔を空ける“間引き営業”をしており、友人と行ったとしても、ほぼ一人で見ているような状態になります。それでも、映画館で映画を見るという体験をZ世代は求めているようです(アンケートは東京で緊急事態宣言が発令された直後の2021年7月13日~20日に実施)。
では、動画配信がこれだけ当たり前になった今、なぜオフラインを求めるのでしょうか。
まず、新作映画を映画館へ見に行くのは、友人を誘って「映画を見に行く」という体験に価値を感じるからです。実際にZ総研メンバーに聞いたところ、「映画館の大きなスクリーンで大きな音で映画を見られるのも楽しみの一つですが、見に行く前に友人と『楽しみだね!』と会話をし、さらに見終わってからどこが面白かったかを話し合えるところまで含めて楽しみだと思います」と語ります。映画を見に行ったときは、友人とInstagramのストーリーに動画をアップするZ世代も多いですね。
見る映画を選ぶときには、自分の興味関心だけでなく、友人が興味のあるジャンルの作品であるかどうかもしっかり判断しています。見た映画の感想を同じ熱量で語り合うことを大切にしているからです。これこそが、新作映画を映画館へ見に行くという、オフラインでの行動の動機となっているのです。
本は9割が書店で買う? その理由は……
他にも、リアルな場にわざわざ出向く例として、「書店」があります。
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