シャープのテレビといえば液晶の「AQUOS(アクオス)」が最強のブランド。ところが2020年5月に発売した初の4K有機ELテレビ「CQ1ライン」は、「AQUOSではない、シャープの有機ELテレビ」として投入されたことでも話題を呼んだ。さらに21年5月22日発売の4K有機ELテレビの新モデルでは、一転して「AQUOS」の名を冠することに。その背景と最新モデルについてシャープの担当者に聞いた。
CQ1ラインが好発進、有機ELテレビは「AQUOS OLED」に
シャープ初の4K有機ELテレビ「CQ1ライン」の発売は20年5月。まず65型・55型を発売し、同年秋に48型のコンパクトモデルを追加した。
3つのサイズがそろって存在感が増したのに加え、店頭での価格もこなれてきたこともあり、同社の調査では20年末に国内の月間販売台数シェアが1桁台から2桁台に伸びた。それ以降も「CQ1ラインの販売台数は当初予定よりも3割増で推移し、私たちの期待以上に良い成果を残せている」と、シャープ スマートディスプレイシステム事業本部 国内TV事業部 商品企画部 部長の鈴木正幸氏は振り返る。
以前、CQ1ラインに「AQUOS」の名を付けなかった理由について鈴木氏は「AQUOSは液晶テレビのイメージがとても強いブランドなので、液晶と間違えて有機ELを購入される方がないようにするため」と答えていた。ところが実際にはCQ1ラインが有機ELテレビであることや、液晶テレビとの特徴の違いを理解したうえで「なぜAQUOSにしなかったのか」という質問が、顧客やショップのスタッフからも数多く寄せられたそうだ。
この記事は会員限定(無料)です。
- ①2000以上の先進事例を探せるデータベース
- ②未来の出来事を把握し消費を予測「未来消費カレンダー」
- ③日経トレンディ、日経デザイン最新号もデジタルで読める
- ④スキルアップに役立つ最新動画セミナー