2012年に三重県の温泉地に開業した「アクアイグニス」で成功を収め、21年7月、三重県多気町に「VISON(ヴィソン)」のオープンを果たしたヴィソン多気(三重県多気町)の社長である立花哲也氏に、施設の特徴や狙いを聞いた。「これほど本気で、食や食文化をテーマにした場所はほかにない。CMや宣伝に力を入れないと人が来ないような施設では大変」と語る。
ヴィソン多気 社長
──アクアイグニスとは?
立花哲也氏(以下、立花) 三重県の湯の山温泉にある総合リゾート施設で年間約100万人が訪れます。全国どこにでもあるようなさびれた温泉地の旅館を事業承継し、12年に開業しました。三重県は、豊富な食材があるにもかかわらず、どこに泊まっても同じような食事しか出てこない。そこで、人気シェフ、人気パティシエに出店いただきました。
──成功の要因は?
立花 食に本気で力を入れて、差異化を図ったこと。本当においしい食べ物があれば集客が見込め、地域の生産者と直接つながることもできます。ヴィソンは13年ごろ、多気町から町おこしの相談を受けたのがきっかけです。当初は、食文化をテーマに、温浴施設を中心にした5つ星ホテル、星付きレストランが集う商業施設にしようとイメージを膨らませていました。
産直市場としても日本最大規模
──ヴィソンが大規模になった理由は?
立花 和の食文化なら、そのすべてを集めたい。「和ヴィソン」エリアには、和食の味を支える昆布も味噌もしょうゆもあるからこそ化学反応が起きると考えます。
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