「焼肉 平城苑」「東京焼肉 平城苑」などの焼き肉レストラン事業を展開する平城苑(東京・足立)は2021年7月13日、新しい企業コンセプトやブランドロゴを発表した。創業51年目を機にリブランディングを実施し、50年先の成長につなげる。プロジェクトを推進した、平城苑の専務取締役経営企画室長の近藤昭人氏とエイトブランディングデザイン(東京・港)代表の西澤明洋氏に聞いた。

2021年7月にリニューアルした「東京焼肉 平城苑 浅草総本店」には新しいロゴデザインを掲げている。店舗の外観や内装のデザインは、道下浩樹デザイン事務所(大阪市)代表の道下浩樹氏が担当(写真提供/平城苑)
2021年7月にリニューアルした「東京焼肉 平城苑 浅草総本店」には新しいロゴデザインを掲げている。店舗の外観や内装のデザインは、道下浩樹デザイン事務所(大阪市)代表の道下浩樹氏が担当(写真提供/平城苑)

――今回のリブランディングの概要について、教えてください。

近藤昭人氏(以下、近藤) 当社は1970年の創業以来、焼き肉のおいしさを追求してきました。生産者が心を込めて育てた和牛の一頭買いを続け、自社工場で熟成や加工、流通まで一元管理した安心安全で高品質な和牛を提供しています。2021年に創業51年目を迎え、21年2月期の年商は約53億円、21年7月末で国内外36店舗に達しました。これを30年に年商200億円、国内外100店舗にするには、新たなブランディングが必要と考えました。

 新しいブランドコンセプトは、「和牛を極める。美味しさをつなぐ。」です。一頭買いによって提供できる、和牛のさまざまなおいしさを多くのお客さまに味わっていただくため、当社は“和牛のオールラウンド・カンパニー”を目指します。

 ブランドコンセプトをビジュアル化するため、コーポレートロゴのほかにブランドロゴも見直しました。当社には郊外型のファミリー向けブランド「焼肉 平城苑」、都心型ブランド「東京焼肉 平城苑」などがあり、今までのブランドロゴは異なっていましたが、これからは統一したデザインにします。以前から改装計画を進めていた「東京焼肉 平城苑 本館 浅草雷門店」も、今回のリブランディングのタイミングで「東京焼肉 平城苑 浅草総本店」としてリニューアルオープンできました。

以前のロゴと新しいロゴ。これまでバラバラだったものを今回から統一した(画像提供/平城苑)
以前のロゴと新しいロゴ。これまでバラバラだったものを今回から統一した(画像提供/平城苑)

タイミングを逃してはいけない

――コロナ禍の今、なぜリブランディングに踏み切ったのですか。

近藤 当社も新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、都心部の店舗の業績は影響を受けました。20年2月期の年商は約68億円で21年2月期は約53億円でしたが、郊外店は前年実績を上回る場合もありました。リブランディングを決定したのは19年です。今後の50年を目標にしたとき、元気な体力があるときから走り出したほうがいいと判断し、リブランディングのプロジェクトを進めたのです。コロナ禍でブレーキを踏む企業も多いようですが、投資のタイミングを逃してはいけないと思いました。

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