東京を中心に19店舗展開しているチョップドサラダ専門店「CRISP SALAD WORKS(クリスプ・サラダワークス)」。運営するCRISP(東京・港)は、2021年7月14日からサラダの定期配送型サブスクリプションサービス「CRISP REPLENISH(クリスプ・リプレニッシュ)」の本格展開を始めた。DX(デジタルトランスフォーメーション)の遅れが目立つ飲食業界にあって、異色のデータドリブン経営を進めるCRISPが目指す姿とは?
新サービス「CRISP REPLENISH(クリスプ・リプレニッシュ)」は、週単位で自動継続される定期配送型サブスクリプションサービスだ。当初は東京都港区全域と一部の周辺エリアが対象となる。ユーザーが専用アプリから1週間で食べたいサラダの種類、数量、配送の曜日や時間帯を選んでクレジットカード決済すると、毎週サラダが自宅へ届く仕組み。もちろん、注文の変更もキャンセルも随時可能だ。
契約プランは毎週4食(1食当たり税込み1390円)、毎週6食(同1290円)、毎週10食(同1240円)、毎週12食(同1190円)の4種類。店舗で提供するサラダは約1200~1650円だが、CRISP REPLENISHではどれを選んでも価格が変わらない。また、店舗のサラダをフードデリバリーのウーバーイーツで注文すると1食2000円を超えてしまうが、CRISP REPLENISHは配送料込みなのでかなり割安だ。
実はCRISP REPLENISHは、2021年5月から招待制のベータ版サービスでテストを行っていた。初期募集に対して1000人近くの希望者が集まるなど、非常に注目度が高いサービスだった。ベータ版の実績も好調で、店舗利用者のARPU(1ユーザー当たりの平均売り上げ)が月3000円程度なのに対し、CRISP REPLENISHユーザーは10倍に当たる月3万円に達したという。そして、途中退会者もほとんど出なかった。これを受け、CRISPは今回の本格展開に踏み切ったというわけだ。
「サラダを食べたいと思ったときにフードデリバリーで注文するのではもう遅い。ましてや店舗へ買いに行くのは、時に相当なストレスとなる。だから、自宅の冷蔵庫にいつでもサラダが入っている状態をつくっていく」と、CRISP社長の宮野浩史氏は意気込む。
CRISPのサブスク、3つの仕掛けとは?
実はCRISP REPLENISHのサービス設計には、3つのポイントが隠されている。まず1つ目が、どのサラダを選んでも価格が同じという設定だ。「店舗利用者のデータ分析をする中で、1つのサラダを食べ続ける人よりも、いろんなサラダを試してくれる人のほうがLTV(顧客生涯価値)は高まることが分かった」(宮野氏)という。
そのため、CRISP REPLENISHではサラダの単価を気にせず、注文できる設計にした。ユーザーは様々なサラダを試せるから飽きることなく続けられ、家族の好みに応じた注文もできるから購買額が膨らみやすいというわけだ。
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