電動バイクのナンバーを特殊なカバーで覆うと自転車に早変わりするーー。そんな異例の「車両区分を切り替えられるモビリティ」が初めて認可された。開発したのは和歌山発のスタートアップ、glafit(グラフィット、和歌山市)だ。複数の状態を自由に行き来できる乗りものは、今後の小型モビリティを支える切り札となる可能性を秘めている。
2021年7月2日、glafitは画期的な発表を行った。同社が販売する自転車型の電動バイク「GFR」シリーズに対して、21年6月28日、電動バイクと自転車の切り替えを認める通達が警察庁から発出されたというのだ。
もともとGFRシリーズはナンバーの取得が必要な50cc以下の電動バイク(原付一種)だ。バッテリー切れの際、備え付けのペダルで走ることは可能だが、車両区分は原付のままだった。それが、専用のオプション機器を取り付け、電源オフ時にナンバープレートを覆うことで自転車としての走行が認められるようになる。glafitの鳴海禎造代表取締役CEOによると、「車両区分の切り替えが認められたのは日本初」だという。一体どういう仕組みなのか。
電動バイクから自転車に“変身”、その仕組みは?
自転車モードへの切り替えには、専用オプションである「モビリティ・カテゴリー・チェンジャー(モビチェン)」の取り付けが必要だ。モビチェンは後部のナンバープレートを覆う機器で、本体の電源と連動して作動する。電源がオンのときはロックがかかり、ナンバープレートをカバーすることはできない。本体電源がオフのときに限り、カバーを引き上げて自転車に“変身”できる仕組みだ。現行モデル「GFR-02」向けのモビチェンは21年秋に発売予定で、その後、前モデルである「GFR-01」向けのオプションも開発する。
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