アイリスオーヤマ(仙台市)で売り上げ全体の58%を占めるのが家電事業だ。コロナ禍でエアコン、照明、サーキュレーターなどほぼ全ての商品が売り上げを伸ばし、2021年12月期は前年比32%増の売上高を見込む。売れる商品を生む秘訣をBtoCメーカー事業本部 事業企画室 室長の勝間浩之氏に聞いた。
――2020年は売上高が前年比32%増(20年12月期)、21年も前年比32%増を見込むなど売れ行きが好調です。どんな商品がヒットしていますか。
コロナ禍により自宅で過ごす時間が増える中、調理家電の伸びが顕著でした。電気圧力鍋、低温調理器、トースター、炊飯器とほぼ全ての商品が好調でしたが、特筆すべきなのは、これまであまり普及率の高くなかった商品の伸び率が一段と高い点です。電気圧力鍋や低温調理器など、ひと手間かけて調理する商品がよく売れました。
また、コロナ禍前には気にしていなかった空気環境を清潔にするための家電として空気清浄機や、空気を循環させるサーキュレーター、もしくはサーキュレーターの機能を持った扇風機なども売れ行きが好調でした。換気や空気清浄のための家電を1部屋に1台備える文化が間違いなく浸透しています。
このほか、掃除機など清掃のカテゴリーや、テレワークに合わせた照明機器なども売れています。
――アイリスオーヤマでは発売後3年以内の製品を「新製品」と定義し、新製品比率の目標を50%以上に据えています。また、会社全体で年間1000点以上の新しい商品を発売していますが、コロナ禍で家電製品の開発に変化はありましたか。
コロナ禍だから特段新しい商品の数が増えたということはありません。ただ、当社は生活者の不満や課題を解決する商品の開発を使命としています。コロナ禍という有事に、課題解決のスピードアップは使命として全部門が意識していました。
また、コロナ禍という大きな生活の変化に合わせた提案は増えました。例えば、リモートワーク中に書斎で手軽に使えるハンディータイプのクリーナーや、スマホやモバイルバッテリーを充電できるUSBポート付きのデスクライト、あるいは家族で料理を楽しめる調理家電など、数えきれないほどの提案が商品化されています。
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