超音速旅客機が実現に向けて大きく前進した。2021年6月3日(米国時間)、米航空大手のユナイテッド航空が、新興企業の米ブーム・テクノロジー(Boom Technology)が開発中の超音速旅客機を購入することを明らかにした。ブームには日本航空も出資しており、航空業界で新たなサービス競争が始まる可能性が出てきた。
ユナイテッド航空はブームから超音速旅客機の「Overture」を当初15機購入する。契約には、追加で35機、計50機まで増やすオプションが含まれている。
ブームのOvertureは、マッハ1.7と現行の旅客機の約2倍の速度で飛行できる。これにより、海外路線の飛行時間をおよそ半分にできるという。例えば、米ニューヨーク近郊のニューアークから英ロンドンまで約3時間半、ニューアークから独フランクフルトまで約4時間、米西海岸のサンフランシスコから東京までが約6時間になる計算。こうした路線に、ユナイテッド航空はOvertureを就航させる考えだ。
早くて29年にサービス開始
ブームはOvertureを25年にロールアウト(工場から機体を搬出して公開)し、26年に初飛行、29年に乗客を運ぶ計画を持つ。こうした状況から、ユナイテッド航空が超音速機を就航させるのは早くて29年とみられる。
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