千葉県香取市にある「THE FARM(ザファーム)」。“予約3カ月待ち”になるほどの人気を集めるこのグランピング施設の運営会社が20年7月にフランチャイズ事業に乗り出した。新事業の柱とするのは「農業」「温泉」「宿泊」の組み合わせ。新しいスタイルは日本のグランピングを変えるのか。その狙いを聞いた。
コロナ禍でも人気が高まるアウトドアレジャー。キャンプ人口は右肩上がりに増え続け、「ソロキャンプ」や「グランピング」(グラマラスとキャンピングを合わせた造語。豪華なテントや食事など優雅なキャンプを楽しむこと)などさまざまな楽しみ方が広がっている。そんななか、週末の予約が3カ月待ちになるほどの人気キャンプ施設を運営する「THE FARM(ザファーム)」(千葉県香取市)がグランピング事業のフランチャイズ展開に乗り出した。
深い森に囲まれた広大な緑の敷地に、白くエレガントなグランピング用テントが鎮座する。その数32棟。千葉県香取市のザファームにあるテントは全棟にエアコンとストーブが完備されており、アウトドアでも快適に過ごせるのが魅力だ。テント内には大きなベッドやチェアがあり、プライベートのウッドデッキでハンモックに寝そべることもできる。グルメメニューも充実しており、ビーフステーキやロブスターなどの高級食材を備え付けのバーベキューグリルで堪能できる。
19年に完成した2階建ての「コテージグランデ」は、まるで長期滞在型ホテルのようなつくり。キッチンにはバルミューダのオーブンレンジといった調理器具や食器類がそろい、映像を壁に映せるプロジェクターまで備えている。コテージグランデの屋上からはエリア一帯を囲む大自然のパノラマ風景を一望できる。
ザファームのもう1つの売りが敷地内にある農園と温泉だ。すべての宿泊プランには収穫体験のアクティビティが付き、敷地内の畑にある旬の野菜3種類を袋に入れて持ち帰ることができる。また、天然温泉施設「かりんの湯」は、グランピング利用者であれば利用し放題だ。全長180mのジップスライダーやアスレチックなどのアトラクションを備え、きれいなシャワールームやパウダールームを用意するなど、アウトドアを敬遠しがちな女性や子供を意識した至れり尽くせりの設備も抜かりない。
これらの充実した設備やサービスが話題になり、利用者やリピーターが続出。ザファームはいまや関東屈指の人気グランピング施設となった。だが、ここまでの道のりは決して平たんではなかった。
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