オフィス向けの自動販売機型無人コンビニ「600」を展開するスタートアップの600(東京・千代田)が、マンション特化の新サービス「Store600」を2021年4月に始めた。新型コロナウイルス感染症拡大の影響で在宅時間が増加するのに伴い、外出せずとも手軽に買い物ができる手段の1つとしてニーズが高まっている。マンション特化で見えてきた勝ち筋とは? 半径50メートルの極小商圏を取り巻くニーズを読み解く。

600が新たに展開するStore600。幅68.5×奥行き52.1×高さ160cmのショーケースに商品が並べられている
600が新たに展開するStore600。幅68.5×奥行き52.1×高さ160cmのショーケースに商品が並べられている

 半径50メートル、徒歩でいうとわずか1分。半径500メートルを想定するコンビニよりもさらに小さな商圏だ。この極小商圏を狙い撃つスタートアップ、600代表取締役の久保渓氏はこう語る。「居住空間やワークスペースなど、自分のいる生活圏内から飛び出さずに何ができるか。思い立ったときに1分で買いに行ける出合いを生み出し、その中で完結するライフスタイルの体験価値の向上を実現する挑戦をしている」

 同社は18年6月から、オフィス向けの無人コンビニサービス「600」を展開してきた。冷蔵ショーケースの中にはペットボトル飲料、おにぎりなどコンビニに置いてあるような商品が陳列されており、キャッシュレスで購入できるというもの。オフィスから出ることなく商品を購入できる手軽さから、KDDIといった大手から、BASE、グノシーなどのベンチャーまで幅広い企業での導入実績がある。

 実は、同じ建物内の少ない移動でちょっとした買い物を簡単に完結させられる600の機能は、マンションデベロッパーにも注目されてきた。「コロナ禍以前からマンションからのニーズを感じていた」と久保氏は振り返る。実際、19年8月には、マンション展開の第1号として、日鉄興和不動産(東京・港)が建設したマンション「リビオレゾン板橋本町ステーションサイド」が600を導入した。マンション周辺にスーパーやコンビニがなくても、住民が気軽に買い物できることから600に期待が寄せられていた。

マンション特化で商品展開どう変える?

 そんな中、今回あえてマンション特化のStore600を新たにリリースしたのには理由がある。まず、冷蔵ショーケースだった600に対して、Store600は常温で保管できる商品だけをそろえるのが特徴。600で扱っているおにぎりなどの即食性の高い冷蔵アイテムは家庭で代替できるため、あえて常温商品に絞った形だ。

600(写真左)は冷蔵ショーケースであるのに対して、Store600(写真右)は常温ショーケースとなっている
600(写真左)は冷蔵ショーケースであるのに対して、Store600(写真右)は常温ショーケースとなっている

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