最高のオンライン体験をデザインせよ

今治タオルの製造販売を手掛けるIKEUCHI ORGANIC(イケウチオーガニック、愛媛県今治市)は、別々に暮らす家族や友人など複数人で参加できる「家族会議型」の新しいオンライン接客サービスを始めた。店舗スタッフと顧客の1対1で行うことが主だったオンライン接客に「1対複数」の新機軸を取り入れた。その効果とは?

イケウチオーガニックが始めたオンラインの家族会議型ショッピングを筆者が体験した(画像左上からイケウチオーガニック京都店の益田晴子店長、右上が筆者、左下が一緒に参加した筆者の家族、右下はイケウチオーガニック広報・マーケティングディレクターの牟田口武志氏)
イケウチオーガニックが始めたオンラインの家族会議型ショッピングを筆者が体験した(画像左上からイケウチオーガニック京都店の益田晴子店長、右上が筆者、左下が一緒に参加した筆者の家族、右下はイケウチオーガニック広報・マーケティングディレクターの牟田口武志氏)

 IKEUCHI ORGANIC(イケウチオーガニック)のオンライン接客サービスは、2020年4月25日から始まった。新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて1回目の緊急事態宣言が発出され、約2カ月間、リアル店舗の休業を余儀なくされたのが発端だ。実は、宣言が解除された後、直営店の営業が再開されてからもオンライン接客を継続している。北海道や沖縄など、イケウチオーガニックの店舗がないエリアを中心に予約が入ってきていたからだという。

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 「コロナ禍で外出を控える人だけではなく、病気療養中の人や外出が難しい人、小さなお子さんがいる人など、いろんな事情で来店できない人は多い。オンライン接客に対する潜在ニーズがあることを実感した」と、イケウチオーガニック京都店の益田晴子店長は話す。

【特集】最高のオンライン体験をデザインせよ

 当初、オンライン接客の利用者は常連客が中心だと考えていた。しかし、蓋を開けてみると、この1年を通して新規の顧客が約90%と予想外の結果になった。また、20年の緊急事態宣言時に1カ月半にわたって休業した京都店のオンライン接客では、通常時の1カ月の店舗売り上げの約40%分を稼ぎ出したという。

 オンライン接客は1回当たり40分、1人で対応すると1日5回程度が限度となる。その中でなぜ、ここまでの売り上げをつくれたのか。その鍵となるのが、「1対1」ではなく、「1対複数」のオンライン接客の新スタイルだ。

コロナ禍で会えない家族とZoomで買い物

 きっかけは、「20年5月に外出自粛で人に会えない中、『友達と買い物をしたい』という声があった」(益田店長)こと。この顧客は出産祝いを買いに店舗に行く予定だったが、休業となったため、急きょ出産した友人と一緒にオンライン接客に参加したという。益田店長は、「私自身もまだオンライン接客に慣れていないときだったが、試しにやってみたら意外と楽しめた」と振り返る。

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