女性のからだの悩みを解決する商品やサービス「フェムテック」に注目が集まる中、LINEによる妊活サポートなどを提供する「famione(ファミワン)」のユーザーが個人に加え、企業や自治体に拡大。その要因は不妊治療をしていない妊活初期層のニーズをつかんだからだった。
妊娠を望むカップルに向け、不妊症看護認定看護師や臨床心理士、助産師、胚培養士などの専門家によるサポートを提供する「妊活コンシェルジュ ファミワン」(以下、ファミワン)。ユーザー数は2018年6月のサービス開始から2年半で、個人向けと企業や自治体向け合わせて2万5000人を突破した。
同サービスを展開するファミワン(東京・渋谷)の創業は15年。当初から妊娠を目指すカップルに向けたサービスを展開してきた。18年に導入した専門家によるLINEコンシェルジュサービスが支持を集め、コロナ禍で登録数が個人だけで8倍に急増した。
個人に加え、数年前から小田急電鉄や全日本空輸(ANA)、メルカリ、伊藤忠商事労働組合といった企業・団体が福利厚生の一環としていち早く導入。ただ、企業向けはコロナ禍の影響で人事部の動きは一時止まり、新規営業もストップした。しかし、その後は一転、オンラインサポートやメンタルケアの重要性が認識され、21年度に入って企業からの引き合いが加速。東京地下鉄(東京メトロ)や大手不動産会社、銀行などの大企業、ベンチャー企業などのほか、20年のベネフィット・ワンに続き、契約社数1万2000社超の福利厚生アウトソーシングサービスを提供するリロクラブにも採用された。導入・提供企業数は約30社に上る。
不妊治療の保険適用とフェムテックブームが追い風に
「企業の需要が増えた背景は大きく2つある」と、ファミワンの石川勇介社長はいう。
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