食品メーカーのフジッコが開発した新感覚の大豆食品「ダイズライス」が、話題を呼んでいる。2021年3月24日の本格発売を前にクラウドファンディングを実施したところ、目標を大幅に上回る金額と支援者数を達成。ECサイトで注文が殺到し、品薄状態が続いている。大豆ミートならぬ、大豆米に人気が集まる理由を探った。

大豆から作った“米”で、フジッコは新市場を切り開く
大豆から作った“米”で、フジッコは新市場を切り開く

 大豆を使った米状の食品「ダイズライス」が初めて世の中に登場したのは、2021年1月26日、クラウドファンディングサイトの「CAMPFIRE(キャンプファイヤー)」でスタートしたプロジェクトだ。「新大豆食品」をテーマに開発したダイズライスが、米やパンなど主食に対する悩みを解決できるのか。消費者の声を集め、市場ニーズを検証するのが目的だったという。

 結果は、50万円の当初目標金額に対して523%となる261万6400円の資金を獲得。わずか1カ月で627人の支援を得た。支援者の男女比は当初、男性が多かったが、最終的にはほぼ半々に。ターゲットは30~40代の女性客を想定していたものの、実際は40~50代が多数を占めた。

CAMPFIREのプロジェクトページ
CAMPFIREのプロジェクトページ

 支援者へのアンケート結果によると、特に「高たんぱく質・低糖質」「主食になる」「健康にいい」という商品コンセプトが支持された。返礼品の試作品については「お米のような食べ応えがある」「満足感がある」などの評価を得ている。

 この結果を受け、21年3月24日には、フジッコが運営する直販ECサイト「Beanus(ビーナス)オンラインショップ」を開設。ダイズライスのプレーンタイプや、ガパオ、トムヤム、いなりずしタイプなど、冷凍食品5品の販売を開始した。同時に、東京都内のレストラン「麻布十番 薬膳カレー新海」と「T’s レストラン」でもコラボメニューの提供が始まっている。

 ダイズライスの開発を手がけたフジッコ開発本部新領域開発部の田口敬子部長は、「反響があるのかないのか、まったく読めなかったので、クラウドファンディングを行うのも正直こわごわだった。発売が決まっても1年ほどテスト展開する予定だったので、小規模の設備と少人数のスタッフで進めている」と明かす。

 現状、1日の生産量は限られるが、テレビ番組で紹介された影響で供給量を上回る注文があり、品薄状態が続いているという。なぜ、売れるのか。ダイズライスの3つの特長が背景にある。

ダイズライスが売れる3つのワケとは?

ダイズライスのプレーンタイプ
ダイズライスのプレーンタイプ
ダイズライスのガパオ
ダイズライスのガパオ
ダイズライスのいなりずし
ダイズライスのいなりずし

 ダイズライスの特長は、第1に、米に近い形でご飯のようなもちもち感やプチプチした食感を楽しめる点。第2に、米よりも高たんぱく質で低糖質にもかかわらず、十分な満腹感が得られる点だ。

 一般的な白米の場合、炊飯後の1食当たりのたんぱく質はわずか3.75g。それに対し、「畑のお肉」とも称される大豆を主原料としたダイズライスのたんぱく質は24gと6倍以上を誇る。しかも、糖質は白米に比べて85%もカットされている。競合商品といえるのは、白米に混ぜて炊くと糖質カットできるコンニャク由来の「マンナンヒカリ」(大塚食品)だろう。これに対してダイズライスは、たんぱく質を白米より多く摂取できるプラスの価値がある。

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