米シリコンバレーでラーメン自動販売機を手がけるスタートアップのYo-Kai Expressは2021年夏、日本に本格進出する。米サンフランシスコ国際空港や大学などに設置されている大型自販機に加え、個人がラーメンを月定額のサブスクリプション型で契約して楽しむための小型調理機器、コンビニエンスストアに設置するセルフサービス型を開発。さらに顧客まで搬送する間にラーメンを調理する自動運転の屋台など、幅広いラインアップを投入する考えだ。
Yo-Kai Expressの創業者であるアンディ・リンCEO(最高経営責任者)が日経クロストレンドの取材に対して、日本市場の戦略を明らかにした。「日本は米国に次いで重視している市場であり、当社の開発するすべてのラインアップを展開していく考えだ」と述べた。
Yo-Kaiというユニークなネーミングは、日本人にとってなじみのある「妖怪」が基になっている。同社の強みはラーメンサプライチェーンの垂直統合だ。自社で冷凍ラーメンの調理施設を運営し、それを独自開発の自動販売機で高圧のスチームをかけながら解凍、60秒以内で調理する。米国では空港や総合病院、大学、ホテル、企業の食堂などで約30台の自動販売機が稼働している。米テスラや米ネットフリックスなどの社内にも設置されているという。
今回、日本市場に参入するにあたり、3タイプの新モデルを投入する計画だ。
小型調理器とセットでラーメンサブスク展開
なかでも注目すべきは主に個人をターゲットにした「Takumi」である。月単位で契約して、冷凍ラーメンを届けるサブスク型のビジネスを想定している。「Takumi本体は249ドル(約2万7000円)から299ドル(約3万2400円)の価格帯を想定しているが、サブスクの注文量によってはTakumi本体を無料で提供することも考えている」(リンCEO)
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