2023年度に「空飛ぶクルマ」の実用化・事業化を目指すベンチャー企業SkyDrive。18年に掲げたロードマップ通り、20年夏には有人機によるテストフライトを成功させた。また、事業化に向けては、大阪府と連携した取り組みも進めている。同社が描くモビリティーの未来、その前に立ちふさがる課題とは――。
空飛ぶクルマ「SkyDrive(スカイドライブ)」を開発しているSkyDrive(東京・新宿)代表取締役CEOの福澤知浩氏が目指すのは、スマホから空飛ぶクルマを予約し、乗って目的地まで移動し終えれば、自動で飛び去る──そんな世の中だ。
開発を進める機体は、モーター駆動する4カ所8つのローターが配置されたドローンのような形状。全長・全幅・全高は約4×4×2メートルと世界最小クラスで、コンビニなどのクルマの駐車場2台分があれば垂直離着陸が可能だ。現在の試作機は1人乗りだが、実用化の際は2人乗りとする。空中で直線的かつ自由な移動ができるため、渋滞知らずで、道路が整備されていない場所でも利用できる。「50年までに誰もが自由に空を飛べる時代を創る」(福澤氏)ことを目標に、実用化に向けて着々と準備を進めている。
18年8月に経済産業省と国土交通省が合同で立ち上げた「空の移動革命に向けた官民協議会」にSkyDriveは構成員として参加。協議会でまとめられたロードマップでは、事業化スタートが「23年目標」と示され、翌19年には内閣府の成長戦略に盛り込まれた。既に18年12月に日本初となる無人屋外飛行試験に成功していた同社は実現に向けて、19年12月に有人飛行試験を開始、20年8月には屋外での公開有人飛行試験に成功と、計画通りの開発を進めている。
無人機を2年前倒し、21年夏ごろ“納車”
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