2020年のライブ配信時間は前年比200%――。20年、コロナ禍でライブ配信市場が活性化し、17LIVE(東京・港)が運営するアプリ「17LIVE(イチナナ)」も急成長を遂げている。さらに、同社はライブコマースプラットフォーム「HandsUP(ハンズアップ)」の展開を加速。大手企業も続々と参戦した。日本では一度は下火になったライブコマースが今なぜ、復権しているのか。同社を率いる小野裕史氏に聞いた。

コロナ禍でライブコマースを始める小売りやECが増加している。大丸・松坂屋は、バイヤーが北海道からグルメを紹介して販売するライブコマースを展開
コロナ禍でライブコマースを始める小売りやECが増加している。大丸・松坂屋は、バイヤーが北海道からグルメを紹介して販売するライブコマースを展開

 「17LIVE(イチナナ)」は、国内ダウンロード数が1000万を超える人気のライブ配信アプリだ。コロナ禍では、アーティストや企業、団体のライブ配信サポートを積極的に提供。AKB48などの人気グループから、ホリプロ所属タレント、吉本興業の芸人まで様々な著名人のライブ配信、あるいはスポーツ選手、格闘技イベントのライブ配信など幅広く行われ、有名人や興行のライブ配信を日本に根付かせる原動力となった。

 また、音楽やトークをライブ配信する一般人を、「ライバー」といわれる人気のライブ配信者に育て、ユーザーからのギフティング(投げ銭)によって稼げるようにする仕組みも提供。17LIVEと契約して報酬を得る認証ライバーの数は、20年12月時点で前年比188%、3万2000人を突破し、同年の年間合計配信時間も前年比200%を記録。収益ベースで、国内ライブ配信の6割以上のシェアを占める圧倒的な存在感を示している。

「17LIVE」のアプリ画面。スマホのみで簡単に配信できる
「17LIVE」のアプリ画面。スマホのみで簡単に配信できる
台湾発祥のライブ配信アプリ「17LIVE」を展開する17LIVE Inc.のグローバルCEO(最高経営責任者)の小野裕史氏
台湾発祥のライブ配信アプリ「17LIVE」を展開する17LIVE Inc.のグローバルCEO(最高経営責任者)の小野裕史氏

 人気の背景には「技術的な優位性もある」と、20年8月に17LIVEの親会社である17LIVE Inc.のグローバルCEO(最高経営責任者)に就任した小野裕史氏は話す。「スマホのフル画面に、高解像度で通信遅延がほとんどなく音声や映像を届けられる技術の面では、業界トップであると自負している。配信クオリティーの高さも、ライバーや視聴者を引き付け、支持を伸ばす要因になっている」。

 そして、もう一つのポイントが、充実したギフティングシステムだ。視聴者が購入して、配信中にライバーにプレゼントできるギフトは、100円程度の少額なものから約5万円と高額なものまで、種類は1万アイテム以上と多彩にそろえる。視聴者は、コメントのやりとりに加え、そうした多様なギフトを配信内容や場の盛り上がりに合わせてプレゼントすることで、ゲーミフィケーション的な要素を楽しんでいるというのだ。

イチナナが次に攻めるのは“鎮火した”ライブコマース

 ライブ配信プラットフォームで確固たるポジションを獲得した同社が、次に市場として注力しているのがライブコマースだ。19年11月には、ライブ配信を通じて商品を販売するプラットフォーム「HandsUP」をスタート。20年から本格展開を進めている。

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