経営統合したLINEとヤフーはどんな変革をもたらすのか。果たしてGAFAやBATに対抗する第三極を生み出すことができるのか。現在はLINEの個人情報問題が大きな課題としてのしかかるが、その存在感はゆるぎない。LINE+ヤフー連合を中心に、ネットビジネスの将来を読み解く業界マップを公開する。

2021年3月1日に開催したZホールディングスの戦略方針説明会。同社社長でCo-CEO(共同最高経営責任者)の川邊健太郎氏(左)、Co-CEOの出澤剛氏(右)
2021年3月1日に開催したZホールディングスの戦略方針説明会。同社社長でCo-CEO(共同最高経営責任者)の川邊健太郎氏(左)、Co-CEOの出澤剛氏(右)

 2021年3月1日にLINEとヤフーを経営統合した新生Zホールディングス(ZHD)が発足してから1カ月。LINEの個人情報に中国の関連会社からアクセス可能だった問題が発覚し、門出を祝うというムードとはかけ離れた状況となった(関連記事:LINEが謝罪と対応策 透明性強化のトレンド見誤る『わきの甘さ』)。これだけの大きな問題となったのは、LINEが個人間コミュニケーションのみならず、企業と顧客をつなぐプロモーションの手段、あるいはwithコロナの中でワクチン予約に使われるなど行政のDX(デジタルトランスフォーメーション)ツールとしても定着しているからである。

LINEは21年3月23日、ユーザーの個人情報に中国の関連会社からアクセス可能だった問題に関する説明会を開催した
LINEは21年3月23日、ユーザーの個人情報に中国の関連会社からアクセス可能だった問題に関する説明会を開催した

 LINEとヤフーは、国内でトータル200以上のサービスを提供し、総利用者は3億人超といわれる。個人情報問題に解決の道筋を付け、サービス融合が進展すれば、その存在感はさらに高まることは間違いない。日経クロストレンドでは、それらサービスの位置付けを見下ろすための図を作成した。現状のネット業界の勢力図を見直しつつ、新たなビジネスを生み出すための参考にしてほしい。

PayPayブランド統一でスーパーアプリ化

 持ち株会社であるZHDと、LINEやヤフーの関係から確認していこう。ZHDは、1996年設立のヤフーを2019年10月に持ち株会社体制へ移行させた企業。傘下にはヤフーのほか、12年からヤフーが出資しているアスクル、19年11月に子会社化したファッションECのZOZOなどが並ぶ。ここにLINEが新たに加わったことになる。なお、ZHDの持ち株会社であるAホールディングスは、LINEの経営統合をする手続きを進める上で、元のLINEの商号を変更した企業である。

ZホールディングスはヤフーやLINEのほか、ZOZOやアスクルなど多数の事業会社を傘下に持つ
ZホールディングスはヤフーやLINEのほか、ZOZOやアスクルなど多数の事業会社を傘下に持つ

 次に個人向けサービスの基軸となるモバイル決済や金融サービスについて見ていこう。まずモバイル決済のLINE Payは、22年4月にPayPayと統合する方針で協議を開始している。21年4月からは、PayPayと同じQRコードをLINE Payで読み取っても支払えるようにする。またZHDは、傘下の金融事業について今後サービス名を「PayPay」ブランドに統一する方針だ。クレジットカードはYahoo! JAPANカード(ヤフーカード)に加えてPayPayカードを新設する。ジャパンネット銀行は21年4月5日にPayPay銀行となる。決済や金融を中心に多彩なサービスを展開し、PayPayの「スーパーアプリ化」を目指す。

LINE、ヤフーともグループにキャッシュレス決済基盤や銀行を持ち、連携して事業を展開している。今後、PayPayとLINE Payは統合。ただしLINE Bankは予定通り設立準備を進めている
LINE、ヤフーともグループにキャッシュレス決済基盤や銀行を持ち、連携して事業を展開している。今後、PayPayとLINE Payは統合。ただしLINE Bankは予定通り設立準備を進めている

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