「米国版TikTok」ともいわれ、米グーグルの買収観測まで報道された短尺動画アプリ「ファイヤーワーク(Firework)」。実は、最近になってビジネスモデルを大幅に転換し、じわりと日本でも浸透を始めている。レッドオーシャンの動画SNSからピボットし、次に狙うのはウェブサイトの動画DX(デジタルトランスフォーメーション)だ。
「米国版TikTok」の構築を目指し、米カリフォルニア州レッドウッドシティに拠点を置くループ・ナウ・テクノロジーズ(Loop Now Technologies)が開発したスマホアプリ「ファイヤーワーク(Firework)」。2019年3月にローンチされ、米国で大きな反響を集めた。その後、日本でもアプリの配信を始めたもののブレークには至らず。そんな中、ビジネスモデルを大幅に転換し、日本で本格的にビジネスを拡大させる。
そもそもファイヤーワークは、TikTokのような動画SNSアプリの一種で、最大の特徴は「リビール・ビデオ(隠れている部分を見せるビデオ)」という機能だ。動画の作成者はスマホによる1度のビデオ撮影で縦横両方の映像を記録でき、視聴者はスマホを回転させると縦横両方の画面をシームレスに閲覧できる。縦から横に回転させると隠れていた画面が現れる驚きの体験が多くのクリエーターの心を捉えた。
米国ではローンチ後から話題となり、米経済新聞「ウォール・ストリート・ジャーナル」は19年10月4日、グーグルがファイヤーワークの買収を検討していると報道。グーグル以外にもファイヤーワークに関心を寄せるインターネット関連企業も少なくなかったという。その後、買収に関する報道は出ていないが、ソーシャルメディアにおける動画SNSアプリが注目を集めていることは間違いない。
そこにきて、今回のビポットに踏み切った。
群雄割拠の動画SNS市場から“黒子”へ大幅転換
同社が狙うのは、さまざまな企業が持つウェブサイトの動画DX(デジタルトランスフォーメーション)支援だ。
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