吉本興業(以下、吉本)が「遊びと学び」をコンセプトにした動画やアプリのサービス「ラフ&ピース マザー」を2021年3月20日に開始した。同サービスを運営する会社ラフ&ピース マザー(東京・千代田)の生沼教行社長にサービス内容や今後の展望を聞いた。

新サービスを運営する「ラフ&ピース マザー」(東京・千代田)の生沼教行氏は吉本の生え抜き社長。マネジャー、番組制作、営業、宣伝を経て現職に就いた(写真/小野さやか)
新サービスを運営する「ラフ&ピース マザー」(東京・千代田)の生沼教行氏は吉本の生え抜き社長。マネジャー、番組制作、営業、宣伝を経て現職に就いた(写真/小野さやか)

 コロナ禍で2020年のローンチが延期となっていた吉本興業(大阪市、以下吉本)の教育事業がいよいよ21年3月20日に本格スタートした。「遊びと学び」をテーマにしたオンラインサービス「ラフ&ピース マザー」だ。吉本とNTT、官民ファンドのクールジャパン機構が設立した新会社、ラフ&ピース マザーが手がける。

オリジナルで500本以上の動画

 「ラフ&ピース マザーの目的は、子供たちにこれからの時代を生き抜く力をつけてもらうこと」と生沼社長。アドバイザーを務めるのは、プログラミング教育の専門家であり、NPO法人CANVAS(東京・港)で子供向けのワークショップを3000回以上手がける慶応大学教授の石戸奈々子氏だ。石戸氏は、生き抜く力として「コミュニケーション力」「創造力」「変化適応力」の3つを挙げる。

 特にコミュニケーション力は、未就学児、小学校低学年、高学年の保護者にそれぞれ実施した事前調査で「子供に求める能力」として上位に挙がったという。「実は就職活動の面接官が一番に求めているのも、コミュニケーション力。大人になってまで求められる能力だが、学校では教わらない。そこでコミュニケーション力の高い大人は一体どんな子供時代を過ごしたのかとリサーチしたところ、とにかく友人とよく遊んだという回答が多かった」(生沼社長)。

 遊びながら身に付けた能力が生きる力につながると生沼社長自身も実感する。本嫌いで全く読書をしなかったが、大好きな漫画「美味しんぼ」で漢字を覚えた。友人とけんかしながら、何をされたら自分の心が傷つくのか、相手を傷つけるのか、打たれ強さや思いやりを身に付けてきたという。「例えば今、雪合戦や水鉄砲を教えようとすると、いじめにつながると懸念する人たちがいる。いやそうではない。雪合戦を通して何を感じ、机上では学べない何を経験できるのかを提供したい」

 ラフ&ピース マザーのコンテンツは動画、アプリ、オンライン教室の3種類。まず、会員登録後にアプリをダウンロードする。アプリ内に、「自然」「コミュニケーション」「世の中」「科学」「作る」「暮らし」「スポーツ」「デジタル」「教養」という9つの学びの要素を持った動画、AI(人工知能)やプログラミングなどが学べるゲーム形式のアプリ、ライブ配信によるオンライン教室が並ぶ。

 30日の無料期間後、動画とアプリを利用するお試し会員が月額500円。動画やアプリに加えてオンライン教室にも参加できる「充実会員」が月額980円となっている。

動画、アプリ、オンライン教室の3本柱で展開する
動画、アプリ、オンライン教室の3本柱で展開する

もうチコちゃんに叱られない

 コンテンツの統括を担当するのは、NHKのバラエティー番組「チコちゃんに叱られる!」などのプロデューサーを務めたスチールヘッドの小松純也代表だ。制作に当たっては子供が集中できる10分以内に動画をまとめ、中身を示すサムネイルを工夫するなど子供目線の改良を重ねてきた。

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