サントリー食品インターナショナルは2021年3月23日、「クラフトボス」シリーズのコーヒー3商品をリニューアル発売する。ペットボトル入りコーヒーに「伸びしろ」があるとの読みだが、売り上げ好調なブランドをリニューアルすることにはリスクもある。中身の刷新はもとより、ボコボコした触感が特徴の新型ボトルにかかる期待は大きい。

(左から)2021年3月23日にリニューアル発売する「クラフトボス ブラック」「クラフトボス ラテ」「クラフトボス 微糖」。ラベルの幅を小さくしてボトル下部に巻き、コーヒーの液色が見えるクリアなスペースを広めに取った。エンボス加工をボトル全体に施し、本物らしさを表現した
(左から)2021年3月23日にリニューアル発売する「クラフトボス ブラック」「クラフトボス ラテ」「クラフトボス 微糖」。ラベルの幅を小さくしてボトル下部に巻き、コーヒーの液色が見えるクリアなスペースを広めに取った。エンボス加工をボトル全体に施し、本物らしさを表現した

 「クラフトボス」は、サントリー食品インターナショナルのコーヒーブランド「BOSS」の新シリーズとして、2017年に誕生したブランド。最大の特徴は、缶ではなくペットボトル入り飲料だということだ。

 クラフトボスの開発当初からデザインを手掛けているサントリーコミュニケーションズ デザイン部 デザインディレクターの児島薫氏は、「当時、コンビニエンスストアのいわゆる100円コーヒーが定着していた。顧客は中身が見えることで得られる安心感やおいしさ、冷たさなどの価値を感じていることが分かり、ペットボトルを使うという着想を得た」と話す。

 発売以来、クラフトボスは「ペットボトル入りコーヒー」の市場をけん引する存在となり、市場自体も伸長。19年のペットボトル入りコーヒー市場は前年比27%増(サントリー調べ、以下同)、コロナ禍の20年も前年比4%増という好調ぶりで、22年には年間1億ケース(1ケース24本)を突破すると予測されている。

 クラフトボスの売れ行き自体も好調で、19年と20年は2年連続で年間販売数量3000万ケースを突破。20年までの累計販売数量は1億ケースを突破した。

 そんな中、クラフトボスのリニューアルに着手したのは19年10月。つまり、売れ行きが絶好調の最中に決めたことになる。

 当初は、誕生以来2年が過ぎ、ブランドの鮮度を保つための限定商品などを模索した。だが、限定商品のために新しいパッケージを作るなら、いっそのこと既存商品ごと刷新したらどうかという社内の声があり、リニューアルの検討を始めた。児島氏は、「挑戦を続けるのがサントリーらしさで、企業文化でもある」と言う。

「好調なのにリニューアル」の怖さ

 ただ、好調に売れている商品のリニューアルについては、怖さもある。児島氏はこう表現する。

 「かなりスピードが出ているときに、アクセルをさらに踏み込むようなイメージ」

 ある種の恐怖を感じながら、デザインと中身、双方の開発担当者が議論を重ね、悩みながら導き出したのが、「正統さと開放感の両立」というコンセプトだった。

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