国立新美術館(東京・港)が2021年2月3日から5月10日まで、「佐藤可士和展」を開催している。クリエイティブディレクターとして知られる佐藤可士和氏が手掛けてきた企業のポスターやロゴ、パッケージ、ブランディングプロジェクトの概要などを展示。同美術館はこれまでもデザインや建築関連の展覧会を定期的に開催してきたが、個展は三宅一生氏、安藤忠雄氏に次いで3人目になる。

佐藤氏がデザインしたロゴマーク51点を一堂に展示しているコーナー「THE LOGO」。このうち15点のロゴマークは、企業やブランドの活動に即した素材で巨大化されている。例えば今治タオルはタオル素材、左手の壁に展示されているヤンマーはトラクターの素材、Honda Nは、実際のクルマに付けているエンブレムの素材など。ポップアートを見るような感覚で楽しむこともできる
佐藤氏がデザインしたロゴマーク51点を一堂に展示しているコーナー「THE LOGO」。このうち15点のロゴマークは、企業やブランドの活動に即した素材で巨大化されている。例えば今治タオルはタオル素材、左手の壁に展示されているヤンマーはトラクターの素材、Honda Nは、実際のクルマに付けているエンブレムの素材など。ポップアートを見るような感覚で楽しむこともできる

 同美術館は「さまざまな美術表現を紹介し、新たな視点を提起する美術館」を活動方針に掲げる。今回、佐藤氏に注目した理由は、広告グラフィックだけでなく企業のブランディングなどデザインを通じて多くの領域で活動し、成果を上げている点。

 会場は主に6つのコーナーに分かれており、例えば「ADVERTISING AND BEYOND」では「SMAP」のキャンペーンといった広告グラフィックがある。「THE LOGO」には広い展示空間に佐藤氏がデザインした「ユニクロ」「楽天」「日清食品」といった企業ロゴが並び、その姿は圧巻といえる。ロゴをどうデザインしているかを解説する展示もあり、デザインの方法論を学ぶ場にもなりそう。この他、社会課題として「団地の未来」を考えるプロジェクトの様子を展示するコーナーもあり、佐藤氏の活動領域は拡大している。それだけデザインがさまざまな場面で求められていることがよく分かる。

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