SNSを通じて消費に大きな影響を与えるインフルエンサー。オリジナル商品やD2Cブランドを立ち上げる動きも加速している。そんな中、実はインフルエンサーの人気トレンドに変化が起きつつある。25歳前後よりも若い世代で、SNSが生活に溶け込んだソーシャルネーティブでもある「Z世代」は、“映え”ではなく、人柄を重視して見る人を選ぶという。Z世代がハマるインフルエンサーとトレンドを、企業のインフルエンサー施策を手掛けるサイバー・バズの担当者が分析した。
SNSを取り巻くインフルエンサーのトレンドが大きく変わりつつあります。
これまでのインフルエンサーによる発信のタイプを振り返ると、2017年ごろからInstagramでは“インスタ映え”が重要視され、とにかく映えを意識した「映え型」投稿が定番となりました。そこから19年ごろには、いかに有益な情報を多く発信できるかの「文字入れ情報型」投稿が重視されるように変化してきました。写真に文字を入れて雑誌のようなデザインにした加工や、投稿文章が長く情報がぎっしり詰まっている投稿が目立ちます。
さらに近年は、TikTokが流行したことで、「映え型」や「文字入れ情報型」のみではなく、“どれだけ愛されているか”、つまりインフルエンサー一人ひとりの個性や人柄、キャラが新たに重視される「人柄重視型」に注目が集まるようになってきています。特に、Z世代(1990年代後半から2010年くらいまでの間に生まれた20代前半までの若者)では、この人柄に共感できるかを強く意識する人が多い印象で、一昔前に流行した映え型の投稿はあまり響かなくなってきています。
SNSが「人柄重視」になった背景は
このようにインフルエンサーの発信手法が変わってきた背景として、ネット上のコミュニケーションが文字や静止画を中心としたものから、動画ベースになってきたことが大きく影響していると考えられます。TikTokやYouTubeで声や動画での発信が当たり前になり、消費者が受け取る情報量は圧倒的に多くなりました。発信者がどんな人なのか、視聴者側がより深くイメージできるようになり、より人柄を重視してコミュニケーションを取るようになったのだと思います。
この発信者のパーソナルな部分を見て人柄自体に共感したファンは、とにかく熱狂的であることが特徴です。Z世代に人気のインフルエンサーのファンの熱狂度が高いのは、まさにこれが理由です。
また、Z世代のユーザーは常にトレンドを追っているため、バズりそうな動画を上げているか、「次も見たい」と待ち遠しくなる動画を上げているか、という視点でインフルエンサーを見ています。トレンドのキャッチアップスピードが重要です。特にTikTokのトレンドは約1週間で変わるため、その間にバズっている動画をまねした動画を発信するインフルエンサーは、トレンドに乗っている人として認識され、注目を集めやすくなっています。
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