音声SNS「Clubhouse(クラブハウス)」は、音声のみのコミュニケーションサービスだ。Twitterも音声チャット機能のベータテストを開始するなど「音声」は注目のジャンルだが、若者はClubhouseをどう捉えているのか。彼らを取り巻く現状と実際の声を踏まえながら探ってみた。
音声のみで交流する「Clubhouse」が人気だ。国内で使われ始めた2021年1月下旬以降、限られた招待枠を求める人、Clubhouseに滞在しすぎて寝不足になっている人、ビジネスの活路を求めてフォロワー増やしに躍起になる人など、まさに“熱狂”と呼べる状態だ。
改めて説明すると、Clubhouseは「聞く」「話す」のみで交流するSNSだ。20年3月に米アルファ・エクスプロレーションがリリースし、21年1月ごろから日本でも使われ始めた。利用するには既存ユーザーから招待を受ける必要があり、招待枠を求める人たちが焦燥感に駆られたことも人気を押し上げた一因だ。現在は招待枠が増え、電話番号を交換しているユーザーからの招待もあるため、登録はそれほど難しくなくなっている。
Clubhouseを起動すると、開催中のroom(部屋)が表示される。タップするとListener(リスナー)として入室し、Moderator(モデレーター)とSpeaker(スピーカー)の話を聞くことができる。発言したいときは挙手をして、許可されればSpeakerになれる。基本的に録音やメモなどで記録することは禁じられているため、内容を知りたければリアルタイムで参加している必要がある(関連記事:クラブハウスで広報が感じた、口から出てしまった言葉の重み)。
現在開かれているroomを大別すると、ビジネスや自己啓発などをテーマにしたパネルディスカッション、芸能人やミュージシャンといった著名人による部屋、知り合いを中心とした雑談部屋の3種類。つまり、ライブ配信のように「聞く」ことがメインの部屋、交流を中心とした「話す」部屋だ。
Clubhouseを若者はどう捉えているのか
若い世代はClubhouseをどう捉えているのだろうか。LINEリサーチが21年2月に行った調査によると、Clubhouseを「ぜひ使ってみたいと思う」「機会があれば使ってみたいと思う」と答えた10代は33%、20代は28%と、全体の25%よりも高い傾向が出ている。新しいSNSに対して積極的な姿勢が見てとれる。ただし、Clubhouseの利用は18歳以上とコミュニティーガイドラインに定められている。
アカウントを取得した高校生、大学生はInstagramのストーリーズなどでClubhouseのユーザーネームを見せ、フォローを募っていた。流行に乗り遅れたくない気持ちが強く、いち早く招待枠をゲットしたことを伝えたい側面もあったと考えられる。
とはいえ、筆者は若者にClubhouseはあまり刺さらないのでは、と見ている。
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