1805年創業の船橋屋(東京・江東)は、東京、千葉を中心に26店舗を展開する老舗くず餅店だ。2020年4月、新型コロナウイルス感染症による緊急事態宣言の発出に伴い、半数の店舗が休業。売り上げは前年同月比36%に落ち込んだ。しかし、若手社員を中心に手がけた施策が奏功し、4~9月の通販売り上げは前年同期比186%となり、Twitterのフォロワー数は7倍に増えた。

創業から216年目を迎えた船橋屋。写真は亀戸天神前本店(写真/小野さやか)
創業から216年目を迎えた船橋屋。写真は亀戸天神前本店(写真/小野さやか)

 船橋屋の佐藤恭子企画本部本部長は、20年4月についてこう振り返る。「毎年4月、5月は年間売り上げのピーク時期。地元の亀戸天神で開催される藤まつりに40万人が訪れ、本店前には大行列ができる。だが、緊急事態宣言発令で祭りが中止となり、売り上げが6割減った」。

 とはいえ、対応は早かった。まず手がけたのが、顧客に安全に商品を届けるための施策だ。

 緊急事態宣言から2日後の4月9日には、亀戸工場から半径5キロ圏内へのデリバリー「出来たて時間お届け便」をスタートさせた。Webでの受注後、最短3時間で作りたてのくず餅やくず餅プリンを届ける。仕組みを構築したのは、元くず餅職人である通販事業部の川妻智彦課長だ。