テレビデータ解析サービスのPTP(東京・新宿)は2021年4月から、日本全国のテレビの通販番組を横断的に検索できるサービス「ordr(オーダー)」の提供を始める。エリアや取り扱う商品カテゴリーなどで地上波、CS、BSの主要局の通販番組を検索して、自社の商材に適した放送枠を探せる。PTPはサービスの提供で通販番組が抱える3つの課題解決を目指す。

(イラスト/Shutterstock)
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 司会者の軽快なトークと専門家による巧みな商品紹介で視聴者の購買意欲を刺激し、コールセンターへの電話やWebサイトから直接注文を受け付けるテレビショッピング。ダイレクトマーケティングの伝統的な手法だが、新型コロナウイルス感染症拡大以降、広告主の間で再評価が始まっている。

 コロナ禍が通販番組の視聴者層に変化を与えているのがその理由。テレワークの推進や外出自粛の影響で在宅時間が増え、相対的にテレビの視聴時間が増加傾向にある。それに伴い年配の視聴者が中心だった通販番組を若年層も視聴するようになり、広告主の間で通販番組経由の若年層の受注件数が増加しているという。こうした変化を受け、「これまでテレビショッピングは実施していなかった企業が、新規活用しようという機運が高まっている」とPTP取締役の有吉昌康氏は明かす。

 ただ、テレビCMと異なり、通販番組についてまとまった情報を広告主は得にくかった。PTPの調査によれば通販番組は年間50万回以上も放送されている。しかし、そのすべての枠を横断的に把握するすべはなかった。そこで、この課題に対するソリューションとしてPTPが開発したのがordrだ。

 同社はテレビ番組を全録し、録画した番組をキーワードで検索できる機器「SPIDER」を開発している。そのSPIDERを全国の拠点に配置し、テレビ番組のデータ化を進めてきた。録画した番組に出演タレントや番組内に登場した商品名、ブランド名、企業名などをテキストデータ化し、それを録画した番組にひも付ける独自のデータベース構築でサービスを実現している。18年にはこの仕組みをテレビCMにも横展開し、テレビCMデータ分析サービス「Madison」を開発した。

 ordrはSPIDER、Madisonに続く3つ目のサービスとなる。「Madisonの導入企業には通販会社も多く含まれる。そうした企業からテレビCMだけでなく、通販番組もデータで可視化してほしいというニーズが寄せられた」(有吉氏)ことが開発のきっかけだ。

 想定される市場規模も事業化に十分足ると判断した。「日本通信販売協会(JADMA)には600社超が加入しており、多くの企業がテレビショッピングを展開している。Madisonの対象企業はテレビCMを放送する上位500社程度と想定していたが、それと同等の市場が見込めると考えた」と有吉氏は言う。また、通販会社は購買まで一貫したデータを持てるため、広告効果の測定や、データを基にしたPDCA(計画、実行、評価、改善)サイクルを内製で実施している企業が多い。そうした企業にとっては通販番組のデータがそろえば、PDCAサイクルがより回しやすくなる。データのニーズはテレビCM以上に高いと考えられた。

 こうした背景から「通販番組の再評価が起こり、新規の活用企業が増えている。タイミング的に今しかない」(有吉氏)と考え、開発を判断した。

全国の通販番組の枠を横断検索可能に

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