NTTドコモは2020年12月からモバイル決済サービス「d払い」で、テーブルオーダー機能の提供を始めた。飲食店の座席に貼られたQRコードを読み込むことで、手持ちのスマートフォンで注文から決済までを完了できる機能だ。先進店舗では注文の9割がテーブルオーダーになっており、口頭注文をわずか1割に減らしている。
テーブルオーダーの提供は、ドコモが進めるスーパーアプリ戦略の一環だ。スーパーアプリとは、特定のアプリ上で動作するミニアプリをさまざまな企業が開発できるプラットフォームを指す。いわゆるポータルサイトのアプリ版といえる。以前はドコモの「iモード」や「Yahoo! JAPAN」などのポータルサイトがネットサービスの入り口だったが、スマホ時代ではアプリを軸にサービスの細分化が進んだ。しかし、アプリの数が膨大になり、市場が飽和に向かう中、1つのアプリで生活に必要な機能を統合的に提供することで、もう一度プラットフォームの地位を取り戻そうという動きが活発化し始めている。
日本での先駆けはLINEだろう。LINEはチャット機能を軸に、企業が自社の事業に関連する機能を展開できるプラットフォームを開発してきた。対するドコモは、d払いを基点としたプラットフォームの普及を目指す。19年10月にミニアプリ機能の提供を開始し、スーパーアプリ化を本格化させた。d払いのアプリ上でテークアウト商品を注文したり、ECサイトの買い物をしたりできるミニアプリを、企業が開発できる機能だ。約3000万人のd払い利用者に対するマーケティング施策に活用できる。
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