忘れていた、ともすれば気づいてさえいなかった将来の夢を言語化し、カードという形でスマートフォンに保存して持ち運べる──。「ワタシルベ」という新サービスが2020年12月1日に無料公開された。開発したのは、マネックス・アセットマネジメント(東京・港)とカヤック。コロナ禍の中、フルリモートで企画・制作した。背景には「人生が透けて見える金融サービス」を目指す挑戦がある。
「『平穏』『思いやり』『自然体』『お金』『つながり』『誠実さ』『向上心』『自由と平等』『謙虚さ』。この中であなたが大切にしていることを3つ選んでください」
「次のリストは、30代に聞いた地球最後の日にやりたいことの代表的な回答です。『家族と過ごす』『美味しいものを食べる』『いつもどおり過ごす』『お金を使い切る』『大切な人に会う』『趣味に没頭する』『何もしない』『ペットとのんびり過ごす』『周りに感謝を伝える』。あなたの願望に最も近いものを1つ選んでください」
選択肢から言葉を選び、その言葉から連想する「やりたいこと」を思い付く限り書き出していく。「選択肢→自由記述」という流れで、自分自身と対話するように回答していくことで、漠然としていた夢が、言語として浮かび上がってくる。それが「ワタシルベ」というサービスだ。
夢達成への道のりをカードに
質問が終盤に差し掛かると、これまで書き出した文章が「かなえたい夢リスト」として現れ、この中から最もかなえたい夢を1つ選ぶ。そして、その夢を実現するために必要だと思うステップを3~5個書き出す。これが「夢への道のり」として選んだ夢や作成日とともに、カードという形でデザインされる仕組みだ。カードはスマートフォンの待ち受け画面にしたり、印刷して財布に入れたりして、肌身離さず持ち歩くことができる。
「わたしを知る」「わたしだけの夢の道標(みちしるべ)を持ち歩く」からワタシルベ。さらに夢を実現するために必要な目標金額(500万円、1000万円、2000万円、1億円)と、何年で夢を実現させたいか(10年後、20年後、30年後)を選択すれば、大まかな資産運用プランも作成できる。
今あるお金をどれだけ増やせるかではなく、自分の夢を実現するにはどれくらいのお金が必要かと考える。いわば「逆転の発想」でサービスを組み立てたのには理由がある。
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