長い沈黙を破り、新たな料金施策を打ち出したNTTドコモ。2020年12月に打ち出した新料金プラン「ahamo(アハモ)」が、ドコモショップでのサポートをカットし「月額2980円で20GB」(税別)という大胆な内容で大きな評判を呼んだ一方、既存プランの見直し策となる「5Gギガホ プレミア」などは従来プランの延長線上にとどまり、「ギガライト」の値下げは見送られた。一連の施策をまとめ、NTTドコモの料金戦略を読み解いてみたい。

NTTドコモが2020年12月3日に発表した新料金プラン「ahamo」は発表直後から大きな評判となった
NTTドコモが2020年12月3日に発表した新料金プラン「ahamo」は発表直後から大きな評判となった

月額2980円の「ahamo」が大評判に

 2020年9月に発足した菅政権が携帯料金引き下げを政権公約に打ち出し、携帯各社がその対応策を早々に発表する中、唯一なかなか動きを見せなかったのが最大手のNTTドコモだった。同社は日本電信電話(NTT)による完全子会社化のため株式公開買い付け(TOB)が実施されていたことから、株価に影響する料金施策を打ち出すのが難しい状況にあったのだ。

 だがそのTOBが無事成立し、20年12月1日には井伊基之氏が新たに社長に就任したことで、ついに政府の料金引き下げに応える施策を発表するに至った。中でも世間を大きく驚かせたのは、20年12月3日に発表した20代の単身世帯に向けた新料金プラン「ahamo」であろう(関連記事「ドコモ、20ギガ月2980円の新プラン『ahamo』 5G対応で衝撃価格」)。

 ahamoが驚きをもたらした理由は大きく2つある。1つは安くてシンプルな料金プラン。複雑な割引オプションが一切なく、月額2980円で20GBの高速データ通信と1回当たり5分間の無料通話、82の国や地域での海外ローミングが使える。非常にシンプルで安く、しかも充実したサービス内容だ。

ahamoは月額2980円で20GBの高速データ通信が利用可能。携帯電話の料金プランに多い複雑な値引きの仕組みが一切なく、低価格だということが人気要因となっている
ahamoは月額2980円で20GBの高速データ通信が利用可能。携帯電話の料金プランに多い複雑な値引きの仕組みが一切なく、低価格だということが人気要因となっている

 もう1つの理由が、ドコモショップでの契約やサポートを基本的に受け付けないプランでもあるということ。携帯電話料金が高止まりする要因の1つでもあるショップ運営のコストをカットし、全てオンラインでの対応とすることで低価格を実現したというのがahamoのカラクリでもあるわけだ。

 だがそれ故に、販売の現場では大きな混乱も出てきそうだ。ahamoの趣旨を知らない人がドコモショップでの契約を求めたり、ahamo契約後に端末の紛失や故障などが起こった際、緊急のサポートを求めてドコモショップに駆け込んだりする可能性は少なからずあるからだ。

ahamoはドコモショップでのサポートをカットすることで低価格を実現しているが、同じNTTドコモの料金プランとして提供されるだけにドコモショップでの混乱は避けられないだろう
ahamoはドコモショップでのサポートをカットすることで低価格を実現しているが、同じNTTドコモの料金プランとして提供されるだけにドコモショップでの混乱は避けられないだろう
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