Gunosy(グノシー)が大改革に着手した。ニュース配信アプリ「グノシー」を刷新し、インドの成長企業への投資を加速。新規事業の開発も急ぐ。同社の元共同代表で、投資家としても著名な木村新司氏が2020年6月、会長兼グループCEO(最高経営責任者)として“復帰”し、竹谷祐哉社長との二頭体制に移行。コロナ禍の中、どう成長軌道に乗せるのか。単独インタビューで展望を追った。

Gunosy会長兼グループCEO(最高経営責任者)に就任した木村新司氏(左)と竹谷祐哉社長
Gunosy会長兼グループCEO(最高経営責任者)に就任した木村新司氏(左)と竹谷祐哉社長

エンタメアプリから社会インフラへ

 ニュース配信アプリの「グノシー」が変わる。竹谷祐哉社長は「エンタメアプリ」からの脱却を明言した。

 「これまでは芸能などエンタメ性の強い記事を押し出して流入を増やしてきた。しかし、今期(21年5月期)から、この方針を大きく変える。社会のインフラとなるようなニュースメディアに育てていく」

 その兆しは、数字に現れている。アプリを起動して最初に目に入る「ファーストビュー」。このスペースの掲載記事をカテゴリー別にみると、20年9月は20年6月比で政治が約2.7倍、スポーツは74%増、テクノロジーは34%増となり、そのぶんエンタメ関連記事の露出は激減した。

 実は、背後のアルゴリズムを変えた。提携メディアから届いた記事をカテゴリー分けし、ユーザーに読まれそうな記事を優先的に配信する。機械学習や自然言語処理を活用して独自開発したアルゴリズムに「社会性」という軸を新たに加えたのだ。「ユーザーが読みたいニュースばかりではなく、社会的にこれは知っておくべきだと思う情報がちゃんと届くようにしたい」(竹谷氏)。

 きっかけは新型コロナウイルスの感染拡大だった。グノシーは、「グノシー」に加え、女性向けの「LUCRA(ルクラ)」、KDDIと共同提供する「ニュースパス」という3媒体を持つ。累計ダウンロード数は5931万(20年10月時点)と国内屈指の読者数を抱えるが、新型コロナの影響で広告収入が落ち込み、収益性が悪化。20年5月期は減収減益で、営業利益は約6割減。20年6~8月期も前年同期比で売上高は約4割減、営業利益は約3割減と苦戦している。

 20年3月には子会社の「digwell(ディグウェル)」が、架空の口コミなどに基づいて虚偽広告を制作、配信していたことが発覚。その後、広告審査を厳格化し、扇情的な言い回しや過度な肌露出を含んだ記事を減らすなど、メディア事業の健全化と収益性向上へと大きくかじを切った。

 「社会情勢が変わり、今までと同じことをやっていても会社の価値は上がらない。より大胆かつ、戦略的に事業を推進するには、先進的なビジネスに精通していて、グローバルな知見も豊富な人材が経営に加わることが重要だ」。竹谷氏の呼びかけで、グノシー草創期を支えた木村新司氏が20年6月26日付で会長兼グループCEOに就任。新体制で経営刷新が始まった。

大幅アップデートで動画や音声を強化

 21年春には、グノシーのUI(ユーザーインターフェース)を大幅にアップデートする。動画や音声などのオリジナルコンテンツを組み合わせ、より気楽に情報を受け取れるメディアに進化させる予定だ。

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