カルビーが新市場開拓を加速している。は2020年11月、睡眠をサポートする可食フィルム「にゅ~みん」をクラウドファンディングサイト「Makuake」で先行予約販売。8月には1粒で食後の口内をすっきりさせるハードグミ「ランチグミー」を全国のカルビーアンテナショップや大手ECサイト、一部コンビニエンスストア、駅売店などで販売し始めた。

「にゅ~みん」は、水なしで口に入れるとすぐに溶けるフィルム状の商品。2021年にECサイトで販売予定。きっかけは大学生によるインタビューからの気づきで、睡眠に悩んでいる人が多かったため。さまざまな解決方法に取り組んでいても、難しさを感じている人がほとんどだった
「にゅ~みん」は、水なしで口に入れるとすぐに溶けるフィルム状の商品。2021年にECサイトで販売予定。きっかけは大学生によるインタビューからの気づきで、睡眠に悩んでいる人が多かったため。さまざまな解決方法に取り組んでいても、難しさを感じている人がほとんどだった

 カルビーといえばポテトチップスをはじめとするスナック菓子や、フルグラに代表されるシリアル食品で知られる食品会社だが、今回の両商品はそれぞれ快眠や口臭ケアなどの機能を狙ったもので、これまでの同社にはなかった分野の商品だ。

 にゅ~みんとランチグミーの開発を担当したのは、従来の商品開発の拠点ではなく、広島市に2016年に新設した「Calbee Future Labo(CFL)」だ。CFLはこれまで機能系食品の分野以外の商品も開発しており、18年にプロ野球の広島東洋カープのマスコットキャラクターをデザインした地域応援スナック「ふるシャカ」、19年には食パンにのせて食べるレトルト食品「のせるん♪」を開発している。

「ふるシャカ」の外観。商品コンセプトは「地域応援」。中身はサイコロ状のポテトスナックが入っており、振るときの音にこだわった。デザインは地元企業が担当し、1年以上かけたという。20年11月ごろに販売終了
「ふるシャカ」の外観。商品コンセプトは「地域応援」。中身はサイコロ状のポテトスナックが入っており、振るときの音にこだわった。デザインは地元企業が担当し、1年以上かけたという。20年11月ごろに販売終了
「のせるん♪」はラタトゥーユ、ホワイトシチュー、ポークカレーの3つがワンセット。開発のきっかけは大学生たちからの提案で、朝食の支度に追われる母親に少しでも役立つ商品を作れないかと考えた。20年3月ごろに販売終了
「のせるん♪」はラタトゥーユ、ホワイトシチュー、ポークカレーの3つがワンセット。開発のきっかけは大学生たちからの提案で、朝食の支度に追われる母親に少しでも役立つ商品を作れないかと考えた。20年3月ごろに販売終了
「ランチグミー」は、「社会人の身だしなみとして、口臭・体臭ケアが必要だと思うが、毎日昼食後に歯磨きなどを行っている人が少ない」という点から生まれた。オープン価格(想定価格は税込み200円前後)。Amazonなどで販売している
「ランチグミー」は、「社会人の身だしなみとして、口臭・体臭ケアが必要だと思うが、毎日昼食後に歯磨きなどを行っている人が少ない」という点から生まれた。オープン価格(想定価格は税込み200円前後)。Amazonなどで販売している

 「既存の延長線ではなく、まったく新しい商品開発の手法が必要と考えて設置した」とCFLの大塚竜太部長は話す。

 同社は1964年発売の「かっぱえびせん」に加え、75年の「ポテトチップス」、91年の「フルグラ」、95年の「じゃがりこ」と、ほぼ10年周期で新ブランドのヒット商品を出してきた。だが、最近はそうした商品が出ていないことへの社内の危機感があったという。

 「既成概念にとらわれず新たな視点から開発を行うため、本社やR&Dセンターのある関東圏から離れてカルビーの創業の地である広島に拠点を置いた。アイデアレベルの初期段階から、消費者や異業種の方たちと協働し、彼らに憑依(ひょうい)して妄想するくらいの圧倒的な顧客目線を持って、これまで社内で培ってきた技術や視点、感性とは別のアングルから、商品を生み出すことを目指している」(大塚氏)

 CFLのスタッフは異業種から招へいした社員4人とカルビー社内の3人の計7人でスタート。現在は社内が1人増えて計8人で、商品開発やクリエイティブなどの担当者がいる。

有料会員になると全記事をお読みいただけるのはもちろん
  • ①2000以上の先進事例を探せるデータベース
  • ②未来の出来事を把握し消費を予測「未来消費カレンダー」
  • ③日経トレンディ、日経デザイン最新号もデジタルで読める
  • ④スキルアップに役立つ最新動画セミナー
ほか、使えるサービスが盛りだくさんです。<有料会員の詳細はこちら>