アウトドアブランド「ザ・ノース・フェイス」を展開するゴールドウインが、ワーケーション(休暇を取りながら働くライフスタイル)に本格参入した。長野県大町市の「ANA ホリデイ・インリゾート信濃大町くろよん」と協業し、大自然の中、同社契約アスリートとトレイルランなどを楽しめる宿泊付きプランを2020年11月に発売した。軽井沢町や白馬村など全国区のリゾート地を擁する長野県にあって、大町市は新たな旅先として急浮上する可能性を秘める。
IHG初のマウンテンリゾート
長野県北西部、黒部ダムの玄関口として知られる大町市が、ワーケーションの聖地に名乗りを上げた。英インターコンチネンタル・ホテルズ・グループ(IHG)がグループ初のマウンテンリゾートとして20年7月1日に開業した「ANA ホリデイ・インリゾート信濃大町くろよん」と、ザ・ノース・フェイスが手を組んで「ワーケーションプラン」を発売したのだ。
第1弾は、大町市の国営アルプスあづみの公園を舞台にしたトレイルランとマウンテンバイク。いずれも1泊朝食付きで、ザ・ノース・フェイスのバックパックやシューズを無料でレンタル可能。トレイルランはザ・ノース・フェイス契約アスリートでプロトレイルランナーの松永紘明氏が監修し、高低差が少ない全長4.5キロメートルのコースをゆっくりと駆け抜ける。
「リゾートホテルといえば、どうしてもビーチのイメージが強い。この地で何ができるかと考えた」(ANA ホリデイ・インリゾート信濃大町くろよん総支配人の巽陽一氏)。宮崎に続く国内2軒目のホリデイ・インリゾートとなる信濃大町くろよんは全73室。館内のどこからでも森を見渡せるのが特徴だ。
露天風呂併設の天然温泉やガラス越しに星空を眺められる室内温水プール、スパ施設、24時間利用できるフィットネスルームがあり、全天候型のテニスコートや全9ホールのゴルフコースも備える。全館Wi-Fiに対応し、電源スポットを随所に設けるなど、遊び、くつろぎながら仕事できる環境を整えた。
グローバルホテルチェーンと、世界的なアウトドアブランド。両者が“出合った”のは、1本の道だった。
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