ライブ配信アプリ「17LIVE(イチナナライブ)」の17 Media Japan(東京・港)は2020年8月17日、代表の小野裕史氏が、台湾に拠点を置く親会社M17エンタテインメントリミテッド(以下「M17」)のグローバルCEO(最高経営責任者)に就任したと発表した。今後の展開や世界展開の方針について聞いた。

台湾発祥のライブ配信アプリ「17LIVE」を展開するM17エンタテインメントリミテッドのグローバルCEOに就任した小野裕史氏
台湾発祥のライブ配信アプリ「17LIVE」を展開するM17エンタテインメントリミテッドのグローバルCEOに就任した小野裕史氏

 17LIVEは国内で間もなく1000万ダウンロードに達する見通しの人気ライブ配信アプリ。録画した動画を配信するYouTubeなどとは違い、リアルタイムに動画配信するサービスで、若者をはじめ幅広い世代に人気のコンテンツとなっている。

 小野氏が親会社であるM17のトップに抜てきされた理由は何か。「17LIVEは台湾が発祥だが、今や日本の売り上げが大きく、サービス企画などあらゆる面において日本がリードしてきた」ことが背景にあると小野氏は語る。

 小野氏は、ベンチャーキャピタルのインフィニティ・ベンチャーズ(東京・港)を08年に立ち上げた。「投資家」としてスタートアップ企業へ出資する一方、フリーマーケットサイトの「ジモティー」など自ら会社の代表に就任し、会社をゼロから起業するという「立ち上げ人」としての活動も度々行ってきた。M17に出資したことがきっかけとなり、17年に日本市場へ進出する際に相談を受けたという。

 「当時は、日本の企業と提携するよりも自分たちで新たに会社を立ち上げるほうが早いと判断した。また、当時のM17の社長からぜひ手伝ってほしいと依頼されたこともあり、17 Media Japanの代表に就任した」(小野氏)。その後3年にわたり、小野氏は17LIVEの国内事業に手腕を発揮してきた。

海外にはない日本のライブ配信の幅広さ

 日本で展開する上では「ジャンルを広げることにリソースを投資してきた」と小野氏。中国発のライブ配信サービスに競合企業がいくつかあるが、それらのアプリではビジュアル重視の人あるいは歌のうまい人に人気が集中してしまう傾向があるという。「17LIVEで掲げているミッションは、限られた才能を持っている人だけでなく、発信したい気持ちやアイデアを持っているすべての人の力を引き出すこと」(小野氏)

 そのために、ライブ配信の方法を知らなかった人に対し、誰でもアプリを起動し、ボタンを押すだけで簡単に配信ができることを訴えてきた。音楽関連だけでも、歌う人だけでなく、マンダリンやハープ、和太鼓、フルート、サックス、バイオリンなど幅広い楽器を使う人が配信をしている。

 この現象は日本国外ではあまり見られていないそうだ。「日本は漫画やアニメ、料理、ファッションなどに代表されるように、ポップカルチャーの輸出国。その背景から、日本のクリエイター、ライブ配信者(ライバー)のコンテンツの幅はバラエティーに富んでいるのだろう」と小野氏は推測する。

ライブ配信が「バーチャル店舗」の場に

 新型コロナウイルスの感染拡大でライブやイベントが軒並み中止となる一方、17LIVEではコロナ禍の5~6月でライバーの増加数が以前と比べて10倍に増加するなど、ライブ配信が活性化している。

ライブ配信アプリ「17LIVE」の画面例。アプリをインストールするだけで誰でも簡単に配信できる
ライブ配信アプリ「17LIVE」の画面例。アプリをインストールするだけで誰でも簡単に配信できる

 17LIVEをビジネスのプラットフォームとして利用する動きも広がっている。同社は20年2月末に、リアルの場でのイベントが開催できなくなったイベント主催者向けのサポート窓口を開設。ミュージシャンによる無観客ライブ、ペットショップでの販売支援、楽器店のライブ、格闘技や花火大会の配信などを実施した。

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