2020年9月7日、CyberZ(東京・渋谷)は、D2Cブランド戦略室を設立することを発表した。同社が持つSNSマーケティングのノウハウと、顧問に就任したクー・マーケティング・カンパニー代表取締役の音部大輔氏の知見を生かして、D2C事業の“伴走者”を目指す。

左からCyberZ AC事業部局長の深見一平氏、クー・マーケティング・カンパニー代表取締役の音部大輔氏。音部氏はマーケター育成プロジェクト「PDP(Professional Development Program:プロフェッショナル育成プログラム)」に続き顧問を務める
左からCyberZ AC事業部局長の深見一平氏、クー・マーケティング・カンパニー代表取締役の音部大輔氏。音部氏はマーケター育成プロジェクト「PDP(Professional Development Program:プロフェッショナル育成プログラム)」に続き顧問を務める

デジタルマーケティング次第で大企業にも勝てるD2C

 サイバーエージェントの子会社でスマートフォンの広告事業などを展開するCyberZは、D2Cブランドのマーケティング支援を始める。プロモーション領域にとどまらず、企画立案から販売まで、D2C事業の上流から下流まで包括的に支援する。

 「ブランドの思想や価値を顧客に届けやすく、コアファンになってもらいやすいこと。仲介業者がいないため、自社で全てのデータを保持することができ顧客の声が直接届きやすいこと。卸し先がないので、ブランド作りがしやすいこと」。D2C事業の特徴として、CyberZ AC事業部局長の深見一平氏は3つを挙げる。

 ネットサービスやSNSの普及により、売り手側は顧客に対してデジタル上で、一貫してコミュニケーションを取れるようになった。「SNSを含むデジタルマーケティング次第では、流通網を持たないD2C企業でも大企業に勝てるチャンスがある」と深見氏は話す。

 同社が主としてきたデジタルマーケティングのノウハウに加えて、クー・マーケティング・カンパニー代表取締役の音部大輔氏が提唱するブランドホロタイプ・モデルやパーセプションフローモデルをはじめとする長年の経験による知見を掛け合わせることで、D2Cブランド戦略室の設立に至った。

 具体的な支援内容は支援する企業が何を求めているかによるためこれから詰めていく必要はあるが、「製造工場の斡旋(あっせん)やSNSを通じたブランド作りができるだろう。広域ではグループ会社のマクアケと協力したり、ECサイト構築サービスなどと協業することもあるかもしれない」(深見氏)。

 同社がD2C事業を支援するに当たっての一番の強みは「ソーシャルメディアの扱い方を知っていること」(深見氏)。同社はインターネットの広告事業を通じて、Twitterを利用している20代はこの時間帯に利用が多い、この層はどういった気持ちでSNSと接しているのかなど、顧客のインサイトを蓄積してきた。そのため、ターゲット顧客に刺さる投稿内容や時間を提案可能だ。

 これらを生かせばSNSを活用したブランディングにも一役買える。「商品名などでハッシュタグ検索すれば、売り手側が顧客のページに直接いいねを押すこともできる。より密接なコミュニケーションによるブランド作りができるのでは」と深見氏。検索サイトからの流入にとどまらない購買ルートが増えており、検索の多様化にも対応しやすいだろう。

これからD2C市場は伸びる

 音部氏は「これから日本でもD2C市場は必ず伸びる」と断言する。その背景には3つの理由がある。1つ目は通販・EC慣れ。Amazonや楽天市場などECサイトの利用者数が増加し、商品をネットで探し、クレジットカードなどで決済する一連の購買行動に抵抗を持つ人が減った。また、ネットのセキュリティーが強化されていることも拍車をかけた。

 2つ目は検索リテラシーの向上。欲しい情報があれば、いつでも手持ちのスマホやPCで検索し、情報を得ることができる。ネットには膨大な量の情報があふれており、その中からピンポイントでほしい情報を手に入れるためには、リテラシーがある程度なければならない。また、顧客のリテラシーが向上することで大手ECサイトに店を構えなくとも、Instagram内でブランドを見つけ購入してもらうこともできる。

 3つ目は生活インフラの充実。宅配ボックスやコンビニで好きな時間に商品を受け取れるようになった。配送業者のアプリを使用すれば、受け取り時間と場所の希望を即時に変更することも可能だ。

 よって必ずしも顧客は店舗に足を運ぶ必要はなく、ECなどさまざまなアプローチから選択が可能になった。売り手側もアプローチを選択できる。店舗を持たずとも販売でき、流通に乗せる必要もない。

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