ライオンは2020年8月25日、オーラルケアブランドの「クリニカ」から数量限定発売する、子供の歯磨き習慣を定着させる歯ブラシ用IoTデバイスの予約販売をECサイトの「LOHACO(ロハコ)」で始めた。ユーザー一人ひとりに寄り添いながら、ロハコとの間で相互データ連携を行い、新たな販売機会も見つける。その具体的な取り組みとは?

ライオンが数量限定発売するIoTデバイスセット「クリニカKid's はみがきのおけいこ」。子供が喜ぶよう、専用の配送パッケージも用意した(写真後ろ側)
ライオンが数量限定発売するIoTデバイスセット「クリニカKid's はみがきのおけいこ」。子供が喜ぶよう、専用の配送パッケージも用意した(写真後ろ側)

 「クリニカ」は、オーラルケア首位のライオンが誇るロングセラーブランドだ。2014年からのマーケティング改革で、「予防歯科」を旗印にV字回復を果たしてきた。その勢いは止まらず、20年も4月に発売したコップが付いた携帯用オーラルケアセット「MIGACOT(ミガコット)」がヒット。以前から力を入れてきたクリニカ派生商品のマウスウオッシュやデンタルフロスも好調で、19年は歯磨き粉との併用が2倍以上も伸長するなど、ブランド全体で伸長を続けている。

 そんなクリニカの新たなアイテムとして登場したのが、歯ブラシ用IoTデバイスの「クリニカKid's はみがきのおけいこ」(税込み1万2100円)。曲がるハンドル構造で歯磨き中の転倒事故などを防ぐ子供用歯ブラシ「クリニカKid's ハブラシ」の柄の下側に装着し、基本的に専用アプリと連動させて使う。

はみがきのおけいこの利用イメージ。歯ブラシの下側に付いている白いデバイスが本体。専用アプリと連動して使う
はみがきのおけいこの利用イメージ。歯ブラシの下側に付いている白いデバイスが本体。専用アプリと連動して使う

 IoT歯ブラシを巡っては、これまでもサンスターの「G・U・M PLAY(ガム プレイ)」や、P&Gの充電式電動歯ブラシ「ブラウン オーラルB」などが発売されてきた。だが、これらは、まだ十分に市場へ定着しているとは言い難い。そこで最後発と言ってもいいライオンが焦点を当てたのは、歯磨きの習慣化に親が苦心している3~6歳の子供市場だった。

母親の8割以上が子供の歯磨きに不安抱える

 「歯ブラシを渡してもいいかげんに磨いているから、虫歯にならないか不安」「結局、最後は子供を押さえつけて歯磨きを完了させる」――。

 小さな子供がいる家庭では、歯磨きに関してこんな悩みが渦巻いている。特に、新型コロナウイルスの感染拡大で在宅勤務が増えたことで、これまで逃れていた朝晩の子供の歯磨き問題に直面するようになった父親も多いことだろう。ライオンの調査によると、3~6歳の子供を持つ母親の68%が「自主的な歯磨きが未定着」と回答しており、実に85%が「子供がきちんと歯磨きできるようになるか不安」と感じている(いずれも回答者は1423人)。そんな悩みを解消する仕掛けを盛り込んだのが、今回のはみがきのおけいこだ。

 「これまでクリニカブランドでは、歯磨きの習慣化につながるユニークな商品開発、啓発活動を続けてきたが、一人ひとりのユーザーに寄り添った習慣化サポートという点ではやりきれていない面があった」と、クリニカブランドマネジャーの横手弘宣氏。先行した他社のIoT歯ブラシの動向を見ながら、子供が使って本当に習慣化につながる仕組みは何か、顧客とつながり続けることで販売機会をどう増やしていくか検討してきた。手段としてのIoTではなく、そこで得たデータを生かして顧客と深くつながり、UX(ユーザーエクスペリエンス)を向上する視点だ。

 実際、すでに一定の成果は出ている。ライオンの先行モニター調査結果では、はみがきのおけいこの3カ月間の継続利用率は77%にのぼり、実に7割の親が「子供が自主的に歯磨きをできるようになった」としている。また、はみがきのおけいこを2週間使用した結果、歯こう除去スキルが当初の約2倍向上したという結果も得ている。

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