LIXILは、家庭の玄関ドアをリモコン操作で簡単に開閉できるようにするシステム「DOAC(ドアック)」を開発、2020年9月に全国で発売する。モーターの力でドアを自動開閉する機器や、鍵の開閉を制御する装置などを取り付けるだけで、通常の玄関ドアが自動ドアのように稼働する。
「DOAC(ドアック)」を使えば、ドアの開閉が難しい高齢者や車いすユーザーなどの負担を減らせる。福祉分野の課題解決策として訴求し、新規事業開拓につなげる。2020年8月に先行受注を開始し、9月から全国販売を予定している。
最大の特徴は設置工事が簡単な点。玄関ドアは一般的に開き戸だが、開閉の負担が少なくなるよう引き戸に改良しようとすると、玄関に大規模な改修工事が必要になるという。DOACは玄関ドアの上部や鍵部分を、電源に接続するコントローラーやリモコン対応の部品に交換するだけ。1日で設置工事が完了する。
「玄関ドアが自動で開閉できれば便利ではないか、という単純な発想から始まった」と話すのは、今回のプロジェクトを推進したLIXIL Housing Technology Japanの羽賀豊デザインセンター長だ。LIXILは Housing Technology Japanの新規事業部門として19年にビジネスインキュベーションセンターを設立しており、DOACは同部門で初めて開発した商品。福祉分野の開拓も初めてだったという。
ユーザーインタビューによる調査を行い「自動玄関ドア」のニーズを探った結果、玄関ドアの開閉を困難に感じるユーザーが多いことが分かった。LIXILにとっても、新築の着工件数が減少傾向にある中、持続的な成長につなげるためには新規事業や新しい商品・サービスの開拓が求められていた。
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