P&Gが「第3の柔軟剤」と呼ぶ「レノアリセット」が、従来の柔軟剤と異なるパッケージデザインと相まって、注目を集めている。消臭や香りに加え、衣類のヨレや毛玉を防いで長持ちさせるという「衣類のダメージケア」に着目し、第3の柔軟剤を標榜。既存商品と一線を画すシンプルなパッケージで勝負する。
「レノアリセット」は2020年4月から販売しており、パッケージはスリムな縦長で2色しかない。表面のデザインはボトルに直接プリントしており、シュリンク(熱で収縮する薄いフィルム)は使っていない。中央の花のグラフィックは、エンボス加工でへこませた。かなりシンプルなデザインで、香りを表現する花や植物の絵柄を施した従来の柔軟剤とは大きく異なる。だが、シンプルさが売り場では逆に目立っているようだ。
「これまでの常識を打ち砕くようなデザインの柔軟剤にすることで、テレビコマーシャルや店頭で目にした際に、インパクトが残るようにした。今までとは違うカラーやシェイプが、アイコンの役割を果たしてくれると期待している。メーカーは覚えられなくとも、ボトルのデザインは覚えられる印象的なデザインにした」(P&G 広報渉外本部・ファブリックケア PR担当)
新開発の「ファイバーケア成分」を取り入れたことで、衣類のダメージケアにつなげた。同成分は、肌のダメージを防止する効果があるとされる「繭玉」から着想を得た。繊維の細かい部分に浸透して、S字フックのように繊維同士を結び付ける機能がある。繰り返し洗濯することで起こる繊維同士の伸びを防ぎ、えり元やそで口のヨレや毛羽立ちを抑える。衣類の劣化を防ぐ効果が期待できるという。
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