2月には全イベントを中止または延期

――ブシロードの事業も新型コロナの打撃を受けていると思いますが、状況は?

木谷氏 20年2月18日にはブシロード主催のイベントをすべて中止もしくは延期すると発表しました。新日本プロレスの興行をはじめ、春先に予定していた大きなライブも含めます。この影響が大きいですね。特にプロレスは興行が収益の中心ですからダメージは大きかったです。

――加えて2月20日にはAnimeJapan 2020へのブース出展取りやめも発表するなど、ブシロードの対応の素早さは際立っていたように思います。

木谷氏 海外の状況を見て、1月20日頃から「これが日本に来たらどうしようか?」とずっと考えていたんです。映画館の閉館やテーマパークの休園、街に人がいなくなることも想定していました。

 2月9日に大阪城ホールで開催した新日本プロレスの「THE NEW BEGINNING in OSAKA」など、2月上旬は大きなイベントをいくつも予定していましたから、「ここまでは無事終わってくれ」と必死に祈っていましたね。

 これらが終わって一段落し、周囲を見回してみたら状況は結構逼迫してきてるなと。そこから対策を詰め、2月17日の朝に先述の社内向け緊急事態宣言を通達しました。

大阪城ホールで2020年2月9日に予定通り開催された新日本プロレスの「THE NEW BEGINNING in OSAKA」
大阪城ホールで2020年2月9日に予定通り開催された新日本プロレスの「THE NEW BEGINNING in OSAKA」
IWGPヘビー級・IWGPインターコンチネンタル王者の内藤哲也選手らが出場した
IWGPヘビー級・IWGPインターコンチネンタル王者の内藤哲也選手らが出場した

――20年3月に開催されるはずだったAnimeJapan 2020への出展中止もブシロードが最初に発表しています。

木谷氏 2月20日に出展中止のリリースを出しました。いずれ政府の要請でイベント自体中止になると思ったので、主催者から早急に中止を発表してほしかったのですが、提言してもなかなか状況が変わらなかったんです。

 中止が決まるまでは、ブースの設営など準備の手を止めるわけにはいきません。開催まで1カ月を切るとキャンセルするのも大変です。造作が始まってしまったら損失額は大きくなる。ブシロードのブースは合計で80コマほどありましたから、何千万円という損失になる恐れもありました。

 政府からのイベント自粛要請を受けてイベントの中止が発表されたのは1週間後の2月27日。対応する上でこの1週間の差は大きかったと思います。