新業態「ワークマンプラス」を世に放ち、客層を大きく拡大したワークマン。実は、次なるコンセプトストアの展開や、あのターミナル駅への出店を検討している。2020年6月29日に発売された、ワークマン初のビジネス書「ワークマンは商品を変えずに売り方を変えただけでなぜ2倍売れたのか」(日経BP)から「第2、第3のワークマンプラス構想」をご紹介する。

既存店と売り方を変えただけで大ヒットした新業態「ワークマンプラス」。仕掛け人である土屋哲雄専務は、第2、第3のワークマンプラス構想を温めている
既存店と売り方を変えただけで大ヒットした新業態「ワークマンプラス」。仕掛け人である土屋哲雄専務は、第2、第3のワークマンプラス構想を温めている

 ワークマンプラスに、時間帯によって看板を切り替える「変身店舗」(関連記事「ワークマン『変身店舗』で二兎を追う 2分で看板、店内早変わり」)。驚きのコンセプトストアを、息つく間もなく繰り出してきたワークマン。“参謀”である土屋哲雄専務の頭には、次なる青写真がいくつもある。切り札の1つと目するのが、AI(人工知能)で最適な売り場を案内する「AI接客」だ。

 例えば、男性アイドルの顔のパターンを機械学習し、来店客のイケメン度を判定する。「イケメンには、紹介する商品の幅を広くするのがいいんじゃないか、と考えている。ジャニーズ系が来たら、なんでも似合いますからね。うちが得意とするストリート系、ド派手系のファッションもかっこよく着こなせる」(土屋氏)。既に研究は始めており、この「イケメン判定」は技術的に実用可能なレベルに達しているという。

 ただし、実際には本当にイケメンかどうかは求めていない。「遊びの要素を残したほうが面白い。イケメン判定もゆるめにして、みんなイケメンになっちゃうぐらいのほうが楽しんでもらえる」(土屋氏)。すべては、目に入る商品の幅を広げてもらうのが狙いだ。

 近年、増えてきた女性客には、ファッションチェック的なコンテンツを想定している。「今着ているファッションからAIが類推して、アウトドアならこういう商品がいいんじゃないかと、売り場をレコメンドできたら面白いと思っている」(土屋氏)。

 とはいえ、AIの分析を基に店員が接客するのでは、店員の負担が増すばかりだ。そこで、土屋氏は、売り場の案内を自動化することをもくろんでいる。「例えば、進むべき売り場への矢印を天井にライトで映し出すとか、ちょっとしたアイデアですぐにできちゃうはず」。店内案内版を導入し、男性コーナー、女性コーナーと表示するのも一手だという。時間帯によって看板を変える「変身店舗」で得たノウハウをここで生かそうというわけだ。

 基本的にワークマンのカジュアルウエアはユニセックスである。つまり、男性でも女性でも着ることができる。だから本来、男性売り場、女性売り場と分ける必要はないのだが、あえて案内板なり、矢印で指し示すことで「自分のための売り場」だと思ってもらえる効果を期待している。「女性が来たら、店内のモニターをワークマンレディースにしちゃって、男性が来たらワークマンにしちゃうとか。変身店舗の延長で仕掛けていきたい」(土屋氏)。

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