LINEは、AI(人工知能)を使って飲食店などの電話受け付けを代行する技術「AiCall」を開発している。2020年4月から厚生労働省と連携し、帰国者の健康状態を電話で確認する用途で、このAIを使っている。実績を積み上げ、AI店員がさまざまな電話業務を肩代わりする将来像を形にしていく考えだ。

LINEは、厚生労働省と連携して電話応対AI「AiCall」を海外からの帰国者の健康状態を電話で確認する用途に活用している。画面はイメージ(写真/Shutterstock)
LINEは、厚生労働省と連携して電話応対AI「AiCall」を海外からの帰国者の健康状態を電話で確認する用途に活用している。画面はイメージ(写真/Shutterstock)

 AiCallは、AIスピーカー「Clova(クローバ)」で培った音声認識技術を応用した企業向けのサービス。人手不足の問題が広がっている飲食店で、予約など電話応対の用途を想定する。2019年11月から実際の店舗で実験を進めてきたものの、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、一旦は足踏み状態となっていた。

 そんなとき、海外帰国者を対象とした検疫対策について、厚生労働省から相談があったという。入国制限対象地域からの帰国者はPCR検査を受ける。その結果が陰性であっても、自宅か宿泊施設で14日間の待機を政府は要請しており、その間、保健所から健康確認を毎日受ける。

 厚生労働省からの相談はLINEのサービスや技術を生かして、この健康確認を効率化できないか、というものだった。従来は電話を使って確認していたが、対象者が増えれば、保健師や検疫官が電話をかけ続けるのは難しくなる。「LINEはそもそも東日本大震災を大きなきっかけとして人々がつながるために生まれたサービス。緊急時に技術を役立てたいという意識が強い」(LINE執行役員AIカンパニー/カンパニーCEOの砂金信一郎氏)ことから、全面的な協力をLINEからも申し出たという。

AIが書類を読み取り電話する

 健康の確認手順は以下の通り。まず海外からの帰国者には、航空機の機内や検疫所で紙の同意書を配布する。LINEを使った健康状態の確認に同意する場合は、電話番号を記載し、音声の電話とLINEチャットのどちらで回答するかを選ぶ。同意書はLINEが持つOCR(光学式文字読み取り装置)の技術でテキスト化する。

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