※日経トレンディ 2020年8月号の記事を再構成
新型コロナウイルスが社会に大きな影響をもたらす中、日本を代表するマーケターである森岡毅氏が緊急提言。独占インタビューの後編では、前編で語られた「100とゼロの間で最適解を導き出す」ことの重要性を、企業の具体的な取り組みと併せて詳説する。
<前編はこちら>
戦略家・マーケター
マーケティング会社「刀」の代表CEO
そうした(100とゼロの間で解を出す)取り組みに成功しているところはありますか?
森岡氏 花王の取り組みは、衛生と暮らしをよりどころとしてきた彼らの哲学がよく表れていると思いました。マスクや消毒用アルコールなど必要な物が不足する中、布マスクの洗い方やキッチン用漂白剤の除菌能力など、タイムリーな情報を提供し、アルコール消毒液の増産も決定しました。
星野リゾートが打ち出した方針も、経営者としての明確な覚悟を感じました。企業によっては、守るべきものを選択するときに、コスト構造の外科手術に大きな迷いと痛みがあるでしょう。星野リゾートは、旅行需要が戻る未来を見据えて、コスト構造を徹底的に圧縮して生き残る方針を早期に果断に明確にされた。それもまた、1つの解でしょう。
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