急成長中の作業服専門店ワークマンは40年前、スタートアップのように立ち上がった。ルーツは群馬県伊勢崎市で産声を上げた「いせや」である。新業態「ワークマンプラス」誕生までと同じようなストーリーが展開されていた。2020年6月29日に発売された、ワークマン初のビジネス書「ワークマンは商品を変えずに売り方を変えただけでなぜ2倍売れたのか」(日経BP)から「はじめに」の後半部分を全文公開する。

新刊「ワークマンは商品を変えずに売り方を変えただけでなぜ2倍売れたのか」
新刊「ワークマンは商品を変えずに売り方を変えただけでなぜ2倍売れたのか」

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 ワークマンの源流は、1959年、群馬県伊勢崎市に創業した「いせや」という衣料品専門店にある。この名前にピンと来る人は少ないかもしれないが、このいせやこそ、現在のベイシアグループの前身である。

 ベイシアグループは、スーパーマーケット「ベイシア」を筆頭に、ホームセンターの「カインズ」、そしてワークマン、コンビニエンスストア運営の「セーブオン」、家電量販店の「ベイシア電器」、カー用品店の「オートアールズ」という物販チェーン6社を中心に計28社で構成する。その総売上高は9435億円(2020年2月末時点)と、1兆円が目前に迫る一大流通企業グループだ。これを一代で築き上げたのが、土屋嘉雄氏である。特筆すべきは、創業以来、吸収や合併を一切せずにここまで成長してきた点にある。

 ワークマンは、そのいせやの新規事業として、まさにスタートアップのように立ち上がった。きっかけは、関西に大繁盛しているワーキングウエアの専門店があるらしい、という情報を聞きつけたこと。土屋氏はすぐさま営業部長に調査を命じ、第2陣、3陣と視察チームを送り込んだ。1980年6月28日、新業態に向けたプロジェクトが立ち上がり、その3カ月後には1号店の開設に踏み切った。