凸版印刷は「チューブな紙パウチ」と呼ぶ新しいチューブ型パウチを発表した。一般的なラミネートのチューブと比較し、プラスチック使用量を50%削減できた。蓋部分はプラスチックだが、形状を見直すことで使用量をさらに削減できるという。しかも、最後まで中身を絞り切れるなど使い勝手も向上した。
「脱プラスチックが叫ばれる時代にあって、環境への配慮を考えると代替素材は紙がいいのではないかと考えて開発を進めた」と生活・産業事業本部パッケージソリューション事業部 開発本部関西開発部の川崎実課長は語る。
紙を使うメリットは他にもある。ラミネートのチューブより胴体部分を薄くできるため、中身を絞りやすくなる点だ。一般的なラミネートのチューブは厚さは0.3~0.45ミリメートルだが、チューブな紙パウチは0.15ミリメートル。紙なので折り畳む加工を施せば、中身を最後まで絞り切ることもできる。一般ユーザーにとって使い勝手がいい。
紙ならではの質感や風合いを生かした販促活動にもつながるだろう、と同社は期待している。例えば自然やオーガニックをアピールしたい商品が採用すれば、パッケージ全体で環境に配慮しているイメージを表現できるようになり、より効果的にコンセプトを伝えることが可能になるという。
この「チューブな紙パウチ」を同社が発表したのは2020年4月28日。今後、食品やトイレタリー、医薬分野といったメーカーに採用を働きかけ、評価してもらう。20年度中にも出荷し、生産設備などの関連受注を含めて当面は10億円の売り上げを目指す。
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