電通は「Expert Idea 500」と呼ぶ新サービスを発表した。新規事業を検討する企業に対し、各分野の約100人の専門家から約1カ月で500個以上のアイデアを収集し、新規事業のコンセプトから内容までを提案していく。

専門家からのアイデアをカテゴリーごとにを色分けしてプロットした画面。内容をカテゴリーごとに分類したり優先順位を付けたりして、アイデアを絞り込んでいく
専門家からのアイデアをカテゴリーごとにを色分けしてプロットした画面。内容をカテゴリーごとに分類したり優先順位を付けたりして、アイデアを絞り込んでいく

 新サービスは、電通グループで企業のイノベーション創出を支援する電通ビジネスデザインスクエア(東京・港)と、テクノロジーへの事業投資・開発支援などを行う電通イノベーションイニシアティブ(同)が手掛ける。2020年4月16日に発表した。

 新規事業を立案する企業にとって、未知の領域ほど徹底的な調査が必要になるだろう。既知の市場と異なり判断が難しく、時間もかかりやすい。Expert Idea 500では事業分野に応じて専門家を選出し、それぞれの知識に基づいてアイデアを出してもらい、内容を数値で客観的に判断できるようにした。企業内だけで検討するより、事業化までの時間を効率化できそうだ。

 電通グループ以外に、国内で約6000人の専門家を組織化しているミーミル(東京・千代田)と、アイデアを定量的に評価できるソリューション「ideagram」を持つVISITS Technologies(東京・千代田)が協力している。ミーミルが確保している多くの専門家を活用し、電通のノウハウを生かして専門家から的確なアイデアを引き出せるように質問内容などを考え、VISITS Technologiesが内容を分析するというように3社の強みを生かした。「新規事業を自社で考えても、不足感を持つ企業から相談を受ける例が多かったことがExpert Idea 500につながった」と電通ビジネスデザインスクエア事業創造第1グループの坂巻匡彦部長は言う。

少し離れた分野の専門家にも聞く

 Expert Idea 500は、主に5つのステップがある。ステップ1は「専門家ポートフォリオ作成」だ。電通が企業の方針などを聞いて、新規事業の対象分野のアイデアを出せる専門家を選定する。企業とディスカッションをしながら本音を聞き出し、対象分野を絞る。このとき対象分野だけでなく少し離れた分野の専門家も加えている。枠を広げ、できるだけ多様な視点からアイデアを集めるためだ。

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