2020年4月1日付で、ソニーデザインコンサルティング(東京・港)を完全子会社として設立したソニー。グループ内向けを基本としていたデザイン組織の業務を、グループ外にも積極的に提供していく。狙いは何か。新社長の長谷川豊氏に聞いた。

クリエイティブセンターの上海の拠点が担当した中国東方航空のショールーム。木製の巨大な地球儀や飛行機の客室窓を模したインテリアなど、AR (拡張現実)コンテンツを取り入れた体験型ショールーム
クリエイティブセンターの上海の拠点が担当した中国東方航空のショールーム。木製の巨大な地球儀や飛行機の客室窓を模したインテリアなど、AR (拡張現実)コンテンツを取り入れた体験型ショールーム

 1961年に発足したデザイン室をルーツとするソニー クリエイティブセンターは、ソニーのインハウスデザイン部門としてプロダクトやグラフィック、UX、UIを中心にソニーの製品やサービスのデザイン全般を手掛けている。2020年4月に設立したソニーデザイン コンサルティングは、クリエイティブセンターのデザイン業務をグループ外に提供するソニーの完全子会社だ。グループ内のデザイン業務は、これまで通りクリエイティブセンターが担当する。新会社の売上目標は非公表。

 スタッフは、クリエイティブセンターのデザイナーが兼任。社長にはソニー クリエイティブセンター長の長谷川豊氏が就いた。「会社として設立したが、まずは少数精鋭でのスモールスタートから始める」(長谷川氏)

製品、サービスに加え企業理念やCIも

 クリエイティブセンターは14年から、すでにグループ外のデザイン業務を始めている。事例としては、中国東方航空体験型ショールームや、京セラの幼児向け歯ブラシ「Possi」などがある。Possiはプロダクトデザインだけでなく、商品の世界観を表現した絵本やコミュニケーションも担当している。

 近年、クリエイティブセンターのデザイン領域は、製品やサービス、体験にとどまらない。グループ内では、ソニー モバイルコミュニケーションズ(東京・品川)のコーポレートビジョンの再定義や、ソニー・グローバルエデュケーション(同)ではCIなど、ブランドのデザインを担ってきた。新会社は、これらデザイン事業の外部提供を本格的に進め、ビジネス化する受け皿となる。